ワインの基礎的な知識を得たら、今度は実際にワインを味わっていきましょう。
ただ、ワインを味わうといってもテイスティングに関する知識がなければ、おいしいかどうか、あるいは好みかどうかといった判断しかできないでしょう。
もちろんそれでもワインを楽しむという点では問題ありません。
ですが、もし「ワインの味わいについて語れるようになりたい」、「知識を得たい」と感じているなら、ここにご紹介するテイスティングについて勉強して、ワインをじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
【目次】
では、この目次に沿って説明します。
ワインのテイスティングには2種類ある
ワインのテイスティングには2種類あります。
<2種類のワイン・テイスティング>
- ホストテイスティング
- ワインの味わいを評価するテイスティング
1つはレストランでワインが悪くなっていないか確認するホストテイスティング。
もう1つは、ワインの味わいを評価するという意味でのテイスティングです。
ホストテイスティングに関しては「知っておきたいワインのマナーとは?乾杯でグラスはぶつけない?」にありますので、ご参考ください。
今回はもう一方の、ワインの味わいを評価するという意味でのテイスティングについてご紹介します。
テイスティングで注目するのは3つ
テイスティングの際に注目すべきは3つ。「外観」、「香り」、「味わい」です。
目を使ってワインの色を見て、濃いかどうか、澄んでいるかどうかなどを見ます。
そして、次はワインの香りをかぎます。
最後はワインを口に含んで、どんな味わいなのかを知ります。
つまり、目と鼻と舌を使い、そのワインについて最大限に知るというわけです。
それでは外観、香り、味わいを確かめる際のポイントについて、順を追って見ていきましょう。
<ワイン・テイスティングでの3つの注目ポイント>
ワインの外観を見る
まずは、ワインの外観を見ましょう。
赤ワインの場合はグラスを約45度傾けてワインとグラスが接している辺りを、白ワインの場合はグラスを傾けずに真横から見ます。
ポイントは色の濃淡と清澄度です。
色の濃淡に関しては、ブドウ品種や日照量に影響を受けます。
例えば、カベルネ・ソーヴィニョンやシラーのようにアントシアニン類を多く含むブドウは濃い色になり、その一方でピノ・ノワールやグルナッシュといったブドウは明るい色調になりやすいという特徴があります。
それに日照量の多い温暖な低緯度の産地で造られたワインほど濃く、黒っぽい色合いとなります。
つまり、色の濃いものほど熟成に耐えうる高品質なワインになるというわけです。
熟成を進めるとオレンジや褐色のニュアンスが増えていき、最終的にはブランデーのような琥珀色に行き着きます。
また、白ワインに関しても同様に、熟成が進むと琥珀色になっていきます。
清澄度、つまり、ワインが澄んでいるかどうかを見ることも大切なポイントです。
赤ワインも白ワインにおいても澄んでいるワインほど高品質と言えます。
透明度とは異なりますので、透き通っているかどうかではなく、澄んでいるかどうかを確認するようにしましょう。
ここまで見たら、一度ワインの香りをかぎます(においに関しては後ほどお伝えします)。
それが終わったら、スワリングといってグラスを回し、ワインを空気に触れさせます。
スワリングをすると、グラスの上のほうにもワインが付着しますよね。
そのグラスの壁に付着したワインが落ちる速度を見ます。
粘り気があって落ちる速度の遅いものほど、アルコール度数や残糖があるワインということが分かります。
ただ、グラスによって落ちる速度が変わってきますので、そこには注意しておきましょう。
ワインの香りをかぐ
続いては香りについてです。
香りは2回かぐということを念頭に置きましょう。
まずは、ワインを注いだときに立ち込める香り。
3分の1ほど入れたグラスに鼻を近づけてみてください。
そこで感じられるのは、アロマ(果実香)と呼ばれます。
このときに果実の香りがくっきりと感じられるものほど高品質なワインです。
先ほどもお伝えしましたが、香りをかぎ終わったらスワリングといって、グラスを回してワインに空気を触れさせます。
空気に触れることによってワインの熟成が進みますから、そこでまた香りが変わってきます。
ですから、スワリングをした後のこのタイミングでもう1度香りをかぎます。
ここで感じられるのはブーケ(熟成香)と呼ばれます。
香りをかぐ際には、長くかがないということを意識しましょう。
長くかいでしまうと鼻が麻痺してしまって香りが分からなくなってしまいます。
そのため、最初に香りをかいだときの印象を大切にしてください。
香りに関する表現にはマスカットやグレープフルーツの香りなど果実のものから、花の香り、青ピーマンの香り、タバコの香り、腐葉土の香りなど様々なものがあります。
これに関しては自分の語彙力にも影響します。
率直に感じた印象から香りに関する表現を考えてみてください。
ワインの味わいを確かめる
最後は味わいに関してです。外観を見て、香りをかいだら最後はワインを味わっていきましょう。
舌には、味蕾と呼ばれ、味を知覚する場所が数多くあります。
ワインの味わいを確かめるときには舌全体を使うことが重要になります。
少量のワインを口に含んだら、ゆっくりと転がすようにワインを口の中に広げてください。
味わうときにポイントになることが4つあります。それは「甘味」、「酸味」、「渋味(タンニン)」、「アルコール度数」です。
この4つのバランスが取れているものほど高品質なワインです。
バランスが取れているか確かめるために、ワインを口に含んですぐに飲んでしまうのではなく、舌全体を使ってじっくりと味わっていく必要があるというわけです。
実際に口に含んでみると、果実味や甘味、酸味、渋味(タンニン)、アルコールの順に感じられます。
それぞれを感じたことを覚えておく、あるいは話したりメモに取ったりしておくとよいかもしれません。
まとめ
以上、ワインのテイスティングについてご紹介しました。
テイスティングの精度を高めていくためには、ブドウ品種ごとの味わいを知っておくようにしましょう。
フランスやイタリアといった旧世界のワインは混ぜて造っているものが多いですから、まずはアメリカやチリなどの新世界のワインで、ブドウ品種ごとの味わいを試してみてください。
なお、ワインのエチケット(ラベル)にブドウ品種が書かれているものが、そのブドウ品種だけを使って造ったワインです。
エチケットを確認してワインを選んでみてください。
これを参考にしてテイスティングをしてみてはいかがでしょうか。
テイスティングでワインの楽しみを広げていきましょう。
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