*連載コラム「遠藤利三郎の読むワイン」のアーカイブページはこちら
ワインスクール
アカデミー・デュ・ヴァン
はじめての方からワインの奥深さを追求される方まで、幅広く講座を開講しています。講師にはワイン業界をリードする現役のプロフェッショナルや、生産地から生産者をお迎えしています。
「じいちゃんが語るワインの話」を読む。
筆者はブルゴーニュのサヴィニー・レ・ボーヌ村生まれ。
ヴィニュロンの祖父との思い出を
ブルゴーニュの四季折々の情景とともに訥々と語る。
このお爺ちゃん、頑固ながらユーモアがあり、
読んでいるうちに大ファンになってしまった。
一昔前の、のどかな農村の一つに過ぎなかった
素朴でのんびりとした生活。
自分の畑から生まれたワインがいつも手元にあり
それを愛しながらグラスを傾けながらゆっくりと時間が流れる。
なんと羨ましい生活だろう。
我々にはとても真似できるライフスタイルではないが
せめてサヴィニーのワインでも開けて
お爺ちゃんの気分を想像してみよう。
ここは是非ともサヴィニーを代表するシモン・ビーズを飲みたい。
マダムの千砂さんはアカデミー・デュ・ヴァンの講師を務めたこともある。
彼女は我々とサヴィニー村をつなぐ絆だ。
そうそう、ブドウ樹の剪定ばさみが
エッフェル塔を設計した、
ギュスターヴ・エッフェルの発明だと書かれていた。
彼はディジョン出身なのだそうだ。
チョットした薀蓄だ。
題名:じいちゃんが語るワインの話
著者:フレッド・ベルナール
出版社:エクスナレッジ
「テイスティング虎の巻」を読む。
ワインを学ぶ人にオススメの
香りのコメントに特化したテキスト。
著者はアカデミー・デュ・ヴァンの富田葉子先生。
彼女が受験講座で使用しているマル秘資料を
太っ腹にも全てを公開した快著だ。
ワインの勉強で最も苦労するのは
香りのコメントではないだろうか。
独学でもできないことはないが
受験対策となると正解が決まっているので
独学ではかなり困難だ。
で、この本。
受験用の香りのコメントに特化しているところがミソ。
試験に出そうな品種を片っ端から掲載し
その香りを実物の果物や香辛料の写真で表現している。
(コメントの模範解答まである!)
内容が手取り足取り実に分かりやすく
しかも徹底している。
また、これから受験する方だけでなく
すでに資格を取った方々にも重宝だ。
香りのコメントを見直し強化するのに
役立つに違いない一冊だ。
題名:テイスティング虎の巻
著者:富田葉子
出版社:成隆出版
ワインスクール 無料体験会のご案内
ワイン3杯のテイスティング付き無料会を毎月開催。
ロケーションや教室の雰囲気、授業の進め方などの不安を解消いただき、
ご納得いただいてからのご入会をおすすめしています。
2020.10.09
遠藤利三郎 Risaburo Endo
本名遠藤誠。三代目遠藤利三郎を襲名する。
ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュの3大ワイン騎士団を始め多くのワイン騎士団から騎士の称号を受ける。世界の歴史や文化の視点からワインをわかりやすく語り、ワイン以外の酒類やシガーにも幅広い知識と愛情を持つ。著書に「ワイン事典(学研)」、監修に「シャンパーニュ・データブック(ワイン王国)」、「新版ワイン基礎用語集(柴田書店)」、共訳に「地図で見る世界のワイン(産調出版、ヒュー・ジョンソン)」など著作多数。ワインバー遠藤利三郎商店オーナー。