佐藤陽子のブルゴーニュ便り Vol.3〜問題だらけの収穫〜

皆様、こんにちは。2015年までADV講師を務めておりました佐藤陽子です。
ワインの勉強のため渡仏し、ブルゴーニュ地方ボーヌの専門学校にてブドウ栽培とワイン醸造の職業資格、その後、ブルゴーニュ大学で醸造技術士の資格を取得いたしました。
コート・ドールで様々な経験を経て、2019年の収穫よりボージョレにおります。
私の目から見たコート・ドールとボージョレの畑作業や醸造、生活など、ブルゴーニュの情報を皆様にお届けいたします。今回は、例年とはちょっと異なる収穫のお話です。

文・写真/佐藤 陽子


【目次】

1.雨の多い夏を過ぎ、ようやくお日様が現れた月。さて、ブドウの状態は?
2.ギリギリまでブドウの熟成を待ち、昨年より2週間遅れの収穫開始。寒い!

3.きれいなブドウを収穫するのに一苦労。収穫量減も覚悟して
4.今年のワインは、醸造の手腕が問われることに
5.厳しい仕事の疲れを癒やしてくれるのは?


1.雨の多い夏を過ぎ、ようやくお日様が現れた9月。さて、ブドウの状態は?

朝の気温が9度の10月のフランスからこんにちは!

日の出も7時を過ぎ、寒さが訪れているフランス。半そでで過ごしたのは1週間くらい。秋というより冬の訪れを感じています。

ブルゴーニュは、収穫が終わり、醸造所はワイン造りのピークを迎えています。

気温が上がらず、雨の多い寒い夏となった7月と8月でしたが、9月に入りようやく30度を超すお天気に恵まれた日が訪れました。収穫前のお日様の力。4月の霜の被害に続き、長雨と気温が上がらない天候不良で生育が進まなかったブドウ、この収穫前の晴天でブドウが少しでも熟してくれるように祈りました。

畑の作業がひと段落し、サヴィニーのドメーヌ・シモン・ビーズに一週間ほど夏休みに訪れました。ビーズの畑も霜の被害を受けていました。とりわけ千砂さんが手掛けるビオの畑は葉も少なく、ブドウもちらほら、千砂さんは「仕方ない、これが結果」とおっしゃっていました。
その他の畑はきれいなブドウがありましたので、ご安心ください。とりわけ、グラン・クリュのラトリシエールのブドウはきれいでした。
コート・ドールの畑をドライブしてみてみるとコート・ド・ニュイは霜の被害も少なく、ミルディウの被害もあまりないように感じました。しかし、コート・ド・ボーヌやモンラッシェの畑は霜の被害が厳しく、ブドウの房が少ないように見えました。
マコンを含め、ボジョレも霜の被害が激しく、畑は葉があるのに房がないという状況。
今年の収量は見込めないとヴィニュロンは肩を落としています。

 

2.ギリギリまでブドウの熟成を待ち、昨年より2週間遅れの収穫開始。寒い!

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