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10月1日は日本酒の日
■日本酒の日
こんにちは。日本酒コラム担当のおおくぼかずよです。
まもなくやってくる10月1日は「日本酒の日」ということをご存知でしょうか。
なぜ10月1日なのか。まず、「酒」という字を思い浮かべて下さい。
「氵(サンズイ)」に「酉」と書きます。
「氵」は流れる水を表す象形文字で、「トリ」と読まれる「酉」は古代に酒などを発酵させた壺を表す象形文字であり「酒壷」を意味します。
そして「酉」は十二支で10番目に数えられます。
10月は実った米を収穫し、その新米で新酒造りを始める時期でもあります。
昭和39酒造年度までは酒造年度は「10月1日から」と定められており、酒蔵では10月1日を「酒造元旦」として祝っていました。
また、10月は宮中祭祀の新嘗祭も行われ、天皇がその年に収穫された新穀などを天神地祇に供えて感謝の奉告をされます。
春に豊作を祈り、秋の収穫に感謝する稲作を中心とした営みを2000年以上繰り返して来た日本にとって日本酒文化は切り離すことのできない大切な文化のひとつです。
一説には10月の「神無月」は「醸成月(かみなしづき/かみなづき)」からの転声とも言われています。
こうした経緯などから、1978年に日本酒造組合中央会によって10月1日は「日本酒の日」と定められました。
■47都道府県全てを乾杯で繋ぐ
現在のコロナ禍において、國酒と呼ばれる日本の伝統的な酒、日本酒・焼酎・泡盛は出荷先となる飲食業界の営業自粛などにより売上高は減少し、国内外を問わず日本酒の啓蒙活動や営業に忙しかった蔵元の方々の移動も制限されていることはご存知の通りです。
暗いムードになっているのではと思っていたところ、先日、日本酒の蔵元によるzoom「蔵元酒脳会談」にお招きいただきました。
先に申し上げると、日本酒業界はとても前向きでポジティブ。
なぜなら、それぞれの地で地域に根差し、地域に必要とされてきた老舗企業が多い業界であり、様々な疫病にも屈することなく國酒の蔵は今日まで続いているのです。
コロナの影響でステイホームしている全国の蔵元たちがzoomで近況報告などをしていく中で、蔵元酒脳会談がはじまり、國酒の力で新型コロナウィルスの終息を願い、明るい笑顔を醸すことができないかと動画作成に至った経緯を伺うことが出来ました。
今年5月にアップされた動画は、47都道府県全てを乾杯で繋ぐという、題して「繋げ! 47都道府県乾杯リレー 今こそ國酒の力で日本を笑顔に」というもの。
表題はNHK「龍馬伝」のタイトルも書かれた書家の紫舟さんが活動に賛同し、無償で題字を書き下ろしてくれたそうです。
▶︎サイト:繋げ! 47都道府県乾杯リレー 今こそ國酒の力で日本を笑顔に」https://bit.ly/35UapXG
■乾杯で日本と世界が繋がる
今年の10月1日は、世界中の人も巻き込んで日本酒の日を盛り上げていきたいと考え、「日本と世界が繋がる」というイメージでさらにヴァージョンアップした動画を作成中とのこと。
10月1日の発表を是非是非お待ちください。
「日本の酒」(坂口謹一郎・著)の中に私の好きなこんな一文があります。
「世界の歴史をみても、古い文明は必ずうるわしい酒を持つ」。
うるわしい酒は皆様のすぐそばに。日本酒で乾杯!
■■■ちょっと豆知識■■■
日本は酒造業界に限らず老舗企業が多いことで知られていますが、日本国内で創業100年以上の企業は3万3076社で世界第1位。
世界の100年企業全体に占める割合は41.3%にもなります。
創業200年になるとさらに高まり、企業数は1340社で日本がトップ。
世界の創業200年を超える企業全体に占める割合は65%です。(日経BPコンサルティング2020年より)
2020.09.25
おおくぼかずよ Kazuyo Okubo
イベントの司会やナレーターを経験後、食の世界に入る。老舗寿司店にて海外イベントのコーディネートを担当するなど日本文化や食に対する知識、見識を深める。現在は日本酒コーディネーターとして、フレンチやイタリアンのシェフとのSAKE ディナーなどの企画運営の傍ら、15 年以上通い続けている料理教室の経験を活かし、料理教室講師や日本酒に合うレシピの考案など新しいライフスタイルに合わせた日本酒のおいしさ、楽しさ、美しさを提案している。日本酒講座では、明るい雰囲気の中で学ぶべきポイントをわかりやすく伝えることを心掛け、学んだ知識を知識として終わらせるのではなく経験に変えられるよう、クラス会を積極的に行い、皆で日本酒と食の美味しいペアリングを探るなど、ビギナーから日本酒上級者まで楽しめるクラス運営をモットーとしている。
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