世界中のワイン好きが注目する「Wine Scholar Guild認定 Essentials」。試験の内容や魅力、他資格との違いまで、受講生がホンネを語ります!語ってくれたのは、2024年秋にFrench Wine Essentialsを受講した榎本一仁さん、Italian Wine Essentialsを受講した五十嵐千佳さん、両資格を同時受講した原剛彦さんです。
【目次】
Q. 受講のきっかけについてお聞かせください
Q. 想像していたことと実際の経験とのギャップはありましたか?
Q. Essentialsで最も魅力的だと思うポイントは何ですか?
Q. 他のワイン教育プログラム(JSAやWSET)と比較してユニークだと感じた点はありますか?
Q. 地域ごとの深堀りにおいて、印象的だった地域や知識はありますか?
Q. オンライン・モジュールやE-bookの活用方法について教えてください
Q. 試験の難易度はどのように感じましたか。また準備するなかで気を付けたことについて教えてください
Q. 試験内容や形式について、どの部分が最も難しかったですか?
Q. 英語のレベルはどのように感じましたか
Q. 試験に合格してから、キャリアや趣味にどのような影響がありましたか?
Q. 上位資格のScholarは受講予定ですか
Q. 今後どんな方にオススメしたいですか
Q. 受講のきっかけについてお聞かせください
五十嵐: みなさん、WSGのEssentialsプログラムを受講した理由って何か特別なきっかけがあったんですか?
榎本:受講した理由は3つ。1つは、担当講師の授業が、普段から楽しくて期待できたこと。2つ目は、もともとWSGの上位資格Scholarプログラムを知っていたんですけれど、Essentialsという入門講座があることを知ったからです。そして3つ目の理由はフランス旅行に行くための予習を兼ねてです(笑)。
原: わたしの場合は、日本ソムリエ協会(以下JSA)認定ワインエキスパート試験対策講座では、イタリアはたった1回で駆け抜けるように終わってしまい、ほとんど印象に残らなかったのです。そこで、これを機会にしっかり学びたいな、と思ったのがきっかけです。
Q. 想像していたことと実際の経験とのギャップはありましたか?
五十嵐: ありましたね。イタリアに特化していると言っても、全州をカバーしているわけじゃなかったんですよ。扱ったのが10州だけだったのには、正直驚きました。
榎本: それは意外ですね。でも、French Wine Essentialsも似たような感じで、ジュラやサヴォワは範囲外でした。「まずはメインどころを押さえましょう」っていう運営側の意図なんでしょうね。学習する産地がしぼられている反面、JSAでは覚えない中央山塊、アルモリカン山塊、アルザス地溝、パリ盆地…などが出てきて、入門講座といえども充実していました。
Q. Essentialsで最も魅力的だと思うポイントは何ですか?
原:オンライン・モジュールです。ただ、単にテキストを読むだけだと流してしまうところ、オンラインに練習問題があって、習熟度を確認しながら進めることができました。その他にも、テキストの写真とイラストが充実していて、旅しているように学べました。
榎本:産地ごとに有名生産者が書いてあるのは、WSETもJSAのテキストにもないのでよかったですね。ワインショップに行って、何を買おうか迷ったときは「ここを攻めよう」という軸ができました。そういう意味では、実生活にとっても役立つカテキストが魅力です。
Q. 他のワイン教育プログラム(JSAやWSET)と比較してユニークだと感じた点はありますか?
原:特定の国にフォーカスしているので、その国にじっくり向き合えるようになっていることです。JSAはいい意味で範囲が広いんです。だから、その当時は、正直、フランスとイタリアだけに、限定して時間がさくことがなかなかできませんでした。ところが、今回のカリキュラムでは、周囲にその国の魅力を伝えられるほどになりました。
五十嵐:そうそう、2つのカリキュラムと比べて、学びがすごく深いんです。たとえば、今まで「ランブルスコ」と単純に呼んでいたブドウ品種も、実はランブルスコ・ディ・ソルバーラ、ランブルスコ・グロスパロッサがあって、別品種ということ知りました。それ以降、ランブルスコを買うときに、気にするようになりました。榎本さんが言うように、まさに実生活に直結する学びです。
Q. 地域ごとの深堀りにおいて、印象的だった地域や知識はありますか?
五十嵐:「白ワインの聖地」と言われる、北イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュ―リア州は、実は、オーストリア=ハンガリー帝国時代の支配下にあるときに、赤の産地だったということです。
榎本:わたしは、シャンパーニュ地方の大聖堂が、畑と同じく石灰岩土壌で形成されていると知ったことです。でも、実際、旅行に行ったら、大聖堂がグレーに見えて、現地の人に「なんで白くないの?」と聞いたら「排ガスですすけている」「だから何年か1回壁を洗ってるんだよ」と教えてもらえました(笑)。おかげで旅先の会話も深まりました。
Q. オンライン・モジュールやE-bookの活用方法について教えてください
榎本:スマフォで、隙間時間にオンラインの問題をちょこちょこ解いていました。
五十嵐:同じく、スマフォで通勤の途中や、授業の前に問題を解いてみたりしていました。オンライン問題で間違えたものは、その場でスクショ。そしてテキストにすぐに戻って確認しました。試験の直前までに、苦手がなくなるように気を付けました。スマフォで解いていたからこそ、すぐにスクショを撮れるのがよかったです。
原:カラフルでわかりやすいテキストでは、ランドマークを確認するのにぴったりでした。E-bookも便利で、ときには翻訳専用ソフトにコピー&ペーストしたりして活用していました。
Q. 試験の難易度はどのように感じましたか。また準備するなかで気を付けたことについて教えてください。
原:ウワサで「簡単」と聞いていたので、「やられた」っていう感じです(苦笑)。オンラインの問題だけだと60~65%ぐらいしか特点できない…。残り35%~40%はテキストをしっかり読んでないと解けない問題だと感じました。
榎本:アカデミー・デュ・ヴァンで初めての試験でしたから、難易度が掴みにくかったですよね…。わたしは、テキストを読んで、地方ごとのAOCの階層や、ランキング関係をまとめました。他にも、クラスメイトと英語で予想問題を作成してシェアしました。自分で問題をつくると出題者の目線になれるのがいいと思います。実際、本番で予想問題に近い問題が出て、「ラッキー!」と思いました。
Q. 試験内容や形式について、どの部分が最も難しかったですか?
五十嵐:オンラインの問題は単語が並んでいて、それを選ぶというシンプルな形式なんですけど、本番は選択肢にセンテンスが並んでいることがときどきにありました。それが難しかったです。
榎本:フランスの方も選択肢にセンテンスが並んでいるものが5問ほどありました。質問の仕方についても、「ロワールについて聞きます」という前置きがあってからの質問の仕方でなく、「この中で間違えているものは何か」と、聞かれたのが「唐突感」があって難しかったです。
Q. 英語のレベルはどのように感じましたか
榎本:わたしの場合は、英語をダイレクトに読みました。ただ、実際、本番の試験では、単語がわからないと解けない問題もありました。たとえばブドウ品種の特徴を表す表現として「Restrained(控え目)」という単語がいきなり出てきて、「?」と思いました。よく考えたら、WSETLevel3では「Neutral」という表現で勉強していたんです。
五十嵐:「Metamorphic(変成岩)」のように、ワインならではの単語も出てきます。ただ、JSA認定試験とWSETLevel3の試験を受験したことがある人なら、日本語のベースがあるから、英語が苦手でも楽しめると思います。逆に、このカリキュラムを通じて、ワイン専門の英単語を身に着けることもできると思います。
Q. 試験に合格してから、キャリアや趣味にどのような影響がありましたか?
五十嵐:以前よりも、買うときの楽しさがより増えたことです。ワインショップで、イタリアに詳しいソムリエと話せるようになったことです。わたしが、「サテン」という単語を話したら、店員が目を輝かせて、「詳しいですね」と言ってくれました。
原:会社でワイン会の幹事をすることがよくありますが、以前よりも、ワインの選び方がより一段と深くなりました。
Q. 上位資格のScholarは受講予定ですか?
榎本:今度は、Italian Wine Essentialsを受講予定です。JSA試験やWSETLevel3でイタリアをすっ飛ばして、放置していたので、どこかでしっかりやろうと思っていたところだったんです。
原:Italian Wine Scholarを検討しています。イタリアのスカラはUnit1と2があるので、モチベーションが高い今なら挑戦できそうです。
五十嵐:お二人ともすごい!じゃあ、わたしはFrench Wine Essentialsを受けようかな(笑)
Q. 今後どんな方にオススメしたいですか?
五十嵐:JSAのときにイタリアを駆け足で片付けてしまった、イタリア好きなのに時間がなかったという方にオススメしたいです。逆にイタリアに苦手意識があると感じている方にもよいカリキュラムです。最初に「ここからここまで覚えてくださいね」と事前周知されているので、JSA試験と比べると、勉強量は少なく済むと思います。実際、今回の試験では、JSAのときのように単語カードつくらなかったんです。
原:WSGの推奨では「15時間の勉強でOK」と書かれているのですが、本当だと思います。
五十嵐:そうですよね。WSETLevel3との比較という観点では、勉強量は10分の1くらいで済みました。旅行しているみたいなカリキュラムで、楽しくインプットできるので、そこまで苦しまなくてよいのが嬉しいところです。最後には、その国がすごく好きになります。
原:そうそう、暗記がそんなに苦しくないのが不思議です。わたしのオススメは、JSAワイン検定のブロンズクラスを終えた方が、WSGのエッセンシャルを受講することです。ブロンズクラスではブドウ品種について学ぶので、その後、産地の特徴を知れるのは良い流れだと思います。
榎本:もう、いいところしかないですね!今から、来期のItalian Wine Essentialsが楽しみになってきました。
プロフィール
五十嵐千佳(いがらしちか)
航空会社勤務。柔和で朗らかな人柄でクラスの人気者。知的好奇心が強く、学習意欲が高い才色兼美。最近は、イタリアチーズとイタリアの郷土料理にハマっている。今回はItalian Wine Essentialsを受講。保有資格はJSA認定ソムリエ、WSET Level3、SAKE Diploma、チーズプロフェッショナル。
榎本一仁(えのもとかずひと)
門前仲町のリキュール製造所でチーフリキュリスト。ワインの感覚も取り入れながらクラフト梅酒を製造。アカデミー・デュ・ヴァンでは常にリーダーを任される「しごでき(仕事できる)」男。今回はFrench Wine Essentialsを受講。保有資格はJSA認定ワインエキスパート、WSETLevel3、日本酒学講師。
原剛彦(はらたけひこ)
コンサルト会社勤務。経験値がなくても「まずは、やってみる」が信条。実際、社内にワイン部を立ち上げた経験も。行動力はピカイチで、クラスでも頼られる存在です。今回はFrench Wine EssentialsとItalian Wine Essentialsの同時受講。保有資格はJSA認定ワインエキスパート、JSAワイン検定認定講師。
ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」では、レベル別にEssentials講座、Scholar講座をフランス及びイタリアの産地国に絞って開講しています。
\無料説明会も開催しています!お気軽にご参加ください/