ヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello)とはイタリアで造られる新酒ワインのことです。
新酒と言うと、フランスのボジョレー・ヌーヴォーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
たしかに日本では、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は一種のお祭りのようで、ニュースになったりスーパーやコンビニでPOPが並んだりと広告を目にする機会も多いため、印象が強く残りますよね。
新酒はボジョレー・ヌーヴォー以外にも造られており、フランスに並ぶワイン大国のイタリアでも当然新酒は造られています。
【目次】
では、上の目次の沿ってヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello)を説明します。
ヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello)とは?
ヴィーニョ(Vino)は「ワイン」のことを指し、ノヴェッロ(Novello)は「新しい」を意味します。
冒頭でもお伝えした通り、ヴィーノ・ノヴェッロ(Vino Novello)とはイタリアで造られる新酒ワインのことです。
ワイン業界では「ヴィーノ」が省略されてノヴェッロと呼ばれることもあります。
味わいや香りとしては、早熟のブドウを使って造られるワインのため、軽やかで豊かな果実味を備えています。
ボトルによっても異なりますが、ノヴェッロはボジョレー・ヌーヴォーよりも軽やかでフレッシュな香りと味わいです。
ノヴェッロを造る際には、ボジョレー・ヌーヴォーと同様に「炭酸ガス浸潤法」という製法が使われます。
最低でも30%以上は新しく収穫したブドウを使い、完成時にはアルコール度数11%以下、糖度は1リットル当たり10g以下にする規定があり、それを遵守して製造されています。
ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日
ノヴェッロの解禁日は、毎年10月30日です。
11月の第3木曜日が解禁日となるボジョレー・ヌーヴォーに先立って味わえるのもノヴェッロの魅力の1つです。
解禁日に関して調べた方は11月6日と書かれているものを目にしたかもしれませんが、現状10月30日の解禁が正しい情報です。
2011年以前には11月6日が解禁日となっていましたが、2012年8月13日に発効されたイタリアの新ワイン法によって解禁日が変更となり、10月30日の0:01に解禁されることとなりました。
1分過ぎてから解禁としているのは、ノヴェッロを称するために必要な申請が10月30日0:00までとなっているため、それに被らないように1分ずらしているというわけです。
ノヴェッロが解禁されると、ブドウの収穫・新酒を祝うお祭りがイタリア各地で開催されます。
ワインバーのエノテカや町の協会・広場などで、音楽を流したり、露店でノヴェッロや焼き栗などを提供したりします。
入場料5ユーロなどで飲み放題となっているお祭りや、ボトル約5ユーロ、紙コップ約1ユーロで販売する形式のお祭りもあります。
「sagra del vino novello(サーグラ・デル・ヴィーノ・ノヴェッロ)」とあったらノヴェッロのお祭りのことですので、足を運んでみてください。
イタリアに旅行するのであれば10月の末を選び、ノヴェッロのお祭りに参加してみてはいかがでしょうか。
他の新酒の解禁日よりも早い!
フランスワインの新酒、ボジョレー・ヌーヴォーを筆頭に、各国では様々なワインの新酒があります。それぞれの新酒の解禁日を見ていきましょう。
ワインの種類 | 生産国 | 解禁日 |
---|---|---|
ヴィーノ・ノヴェッロ | イタリア | 10月30日 |
ボジョレー・ヌーヴォー | フランス | 11月第3週の木曜日 |
デア・ノイエ | ドイツ | 11月1日 |
ホイリゲ | オーストラリア | 11月11日 |
山梨ヌーヴォー | 日本 | 11月3日 |
■ボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)
フランスの新酒。毎年11月第3週の木曜日が解禁日です。
■デア・ノイエ(Der Neue)
ドイツの新酒。解禁日となるのは毎年11月1日です。
■ホイリゲ(Heuriger)
オーストリアの新酒。毎年11月11日が解禁日です。
■山梨ヌーヴォー
日本の新酒。晩熟系品種(甲州種、マスカットベリーAなど)で造られた山梨ヌーヴォーの解禁日は11月3日です。
ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は10月30日ですので、どの新酒よりも早く解禁日を迎えます。
一足先に秋の味覚を楽しむことができるという魅力がありますね。
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ヴィーノ・ノヴェッロの特徴
ヴィーノ・ノヴェッロの特徴として、「生産」、「価格」、「マリアージュ」の3つの観点からお伝えしていきます。
特徴1:生産
ヴィーノ・ノヴェッロは、イタリア全土で様々な品種を使って造られます。
フランスのボジョレー・ヌーヴォーの場合は、ブルゴーニュ地方ボジョレー地区でガメというブドウ品種のみを使って造られたものだけといったように厳しい決まりがあります。
厳しく決まりを設けることによって、毎年味わいや品質の安定したものができます。
安定したワインを提供していれば、その味わいを期待して解禁を待つ方、いわばファンが現れます。
ボジョレー・ヌーヴォーはそうしてブランディングが成功していきます。
一方で、イタリアのノヴェッロは産地やブドウ品種の決まりはなく、自由に造れる反面、味わいや品質は不安定でした。
しかし、最近では質が上がってきており、おいしいノヴェッロを味わえるようになっています。
特徴2:価格
ノヴェッロの価格に関しては1,500円~3,000円ほどが目安となります。
もちろん本場イタリアで飲めば関税や運輸代がかからないため安く買えますが、日本では先ほどの価格を目安としてください。
ボジョレー・ヌーヴォーよりも500円ほど安い価格となっています。
手に取りやすい価格となっておりますので、ワイン好きイタリア好きなら一度試してみてはいかがでしょうか。
特徴3:マリアージュ
マリアージュとはワインと食事との組み合わせのことで、食事との組み合わせによってワインの楽しみ方は何倍にも広がります。
ノヴェッロの場合は軽いワインですので、組み合わせとして料理も同様に軽めのものがマッチします。
ノヴェッロと合わせるのなら味の主張が強くないものや、おつまみなど軽めのものを選びましょう。
サラミやハム、ブルスケッタなどに合わせたり、キノコなど秋の味覚を使った料理と合わせたりするのがおすすめです。
その中でも特におすすめなのが焼き栗。
本場イタリアで行われるノヴェッロ解禁のお祭りでも焼き栗が振る舞われることも多いです。
ぜひ焼き栗と一緒にノヴェッロを楽しんでみてください。
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まとめ
イタリアワインの新酒「ヴィーノ・ノヴェッロ」についてご紹介してきました。
ノヴェッロはボジョレー・ヌーヴォーに勝るとも劣らない魅力的なワインです。
ワイン好きならぜひとも味わっておきたいところです。
今年の秋はノヴェッロを味わってみてはいかがでしょうか。