食事や好みに合わせてワイン選びのアドバイスをするソムリエ。
日本酒選びをアドバイスする、日本酒ソムリエになりたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、ワインとは違い、「日本酒ソムリエ」という名称の資格はありません。その代わりに日本酒に関する資格はあります。
日本酒に関する資格について勉強していけば、日本酒についての知識を持ち、味わいの違いや、どういった料理にはどんな日本酒が合うかをおすすめできる知識が身につくことでしょう。
そこで今回、おすすめの日本酒資格を3つ以下の目次でご紹介していきます。
【目次】
日本酒に興味のある方はこちらで紹介する資格の勉強をしてみてはいかがでしょうか。
日本酒の資格 3つのおすすめについて
日本酒に関する資格の中で、以下の3つのおすすめ資格があります。
<おすすめの「日本酒の資格」>
これらの資格の勉強をしていくことによって日本酒に関する基礎知識、味わいや香りを判断する能力、またそれを素人にも分かりやすいように説明する能力、などを身につけることができるでしょう。
この3つの資格についてそれぞれ紹介していきます。
日本酒検定
まずは、日本酒検定から紹介します。
日本酒検定は、消費者が日本酒の魅力を知り、日本酒をもっと楽しんでもらうことを目的としている検定試験です。
日本酒検定「受験資格」
まずは、受験資格から見ていきましょう。日本酒検定の受験資格として、2つの条件があります。
<日本酒検定「受験資格」>
- 20歳以上であること
- 1つ下の級に合格していること
この2つを満たしていれば、受験資格を備えていることになります。
日本酒検定には1級・準1級・2級・3級の4つの検定試験が設けられていまして、最初は3級に受験し、合格すれば2級に受験することができるという流れです。
つまり、1級の試験を受けるためには最低でも3回試験に合格する必要があるというわけです。
日本酒検定「申込みから資格取得までの流れ」
申込みから資格取得までの手順をご紹介します。
- NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)の「日本酒検定」で試験の概要を確認します。
- 「詳細・お申込み」をクリックします。
- FBO会員ならログインを、非会員なら必要事項を入力し、新規登録を進めていきます。
- 申込みが完了したら受験会場にて受験します。
- 検定後40日以内に送られてくる検定結果通知で合否確認します。
日本酒検定「出題分野・内容」
出題分野は全部で5つです。
<日本酒検定「出題分野・内容」>
- 「歴史、文化」……日本酒の歴史や、飲酒文化・地域文化などについて
- 「造り方」……原料(米、水、微生物)や、製造方法などについて
- 「モラル・マナー」……未成年飲酒の危険性といったモラルやマナーについて
- 「楽しみ方」……飲む際の温度や、器、料理との相性、ラベルの読み方などについて
- 「雑学」……生産量や消費量、海外事情、銘柄、醸造元などについて
日本酒検定にはテイスティングはありません。あくまで知識を問う検定です。問題は全部で50問。マークシートによる択一方式での解答となります。
日本酒検定「出題例」
次に、実際にはどのような問題があるのか、試しに3級の例題を見ていきましょう。
【問1】ほとんどの日本酒造りに使用される米の種類はどれか。
- 餅米
- 赤米
- 粳米
- 香米
【問2】日本酒を温めると、アミノ酸成分はどのように感じられるか。
- 苦味成分が強く感じられる
- よりスッキリとした味わいに感じられる
- 豊かにふくらんで感じられる
- 引き締まってキレが感じられる
【問3】平成22年度において、日本酒を造っていない唯一の都道府県はどこか。
- 沖縄県
- 宮崎県
- 鹿児島県
- 東京都
【問1】③粳米 、【問2】③豊かにふくらんで感じられる、【問3】③鹿児島県
いかがでしょうか。当日にはこうした問題が出題されますので、ややこしいところを徹底して学習し、準備をしていきましょう。
日本酒検定「費用」
日本酒検定の検定料は希望する級によって変わってきます。
<日本酒検定の「検定料」>
1級……5,280円
準1級……4,840円
2級……4,290円
2級(CBT試験)……5,200円
3級……3,740円
3級(CBT試験)……4,650円
唎酒師(ききざけし)とは
唎酒師では日本酒の雑学のような知識だけでなく、テイスティングの方法や提供の仕方など、日本酒の販売・提供のプロフェッショナルとしての能力が問われます。
その点、先ほど紹介した日本酒検定よりもやや難易度が高いと言えるでしょう。
以下に「受験資格」、「申込みから資格取得までの流れ」、「出題分野・内容」、「出題例」、「費用」の観点から検定について詳しく解説していきます。
唎酒師「受験資格」
申込みのときに20歳以上であること
唎酒師「申込みから資格取得までの流れ」
唎酒師を取得するには、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会が運営している4つのプログラムのいずれかに参加する必要があります。
*詳細はこちら→◆唎酒師 | 日本酒のソムリエ
*プログラム→◆唎酒師になるには | 唎酒師
①通信プログラム
通信プログラムの場合には3ヶ月の期間で行われます。
ただし、ほかの4つのコースと違うのは試験がないこと。
こちらのプログラムでは3ヶ月の間に課題を3回提出することになります。
この3回の課題にクリアすれば合格です。
②2日間集中プログラム
2日間集中プログラムの場合、まずは専用のワークノートで予習をします。
その後、会場で2日間かけて講習の受講と、受験をします。
直前の学習を試験に活かすことができるよう、講習の後に試験を行い、その次に講習を行って……といったスケジュールになります。
③受験プログラム(オンデマンド受講コース)
オンデマンド受講コースは、送られてくる教材(テキスト、映像、酒)を使って自宅で自主勉強をするコースです。
1年以内に受験して合格し、手続きを済ませれば唎酒師の資格を得ることができます。
④受験プログラム(1日通学コース)
1日通学コースは、1日だけ会場に集まって講習会を行います。
その後、1年以内に受験して合格し、手続きを済ませれば唎酒師の資格を得ることができます。
通学する1日は、土日のみならず平日にも開催されています。
唎酒師「出題分野・試験内容」
先に紹介したプログラムのうち「①通信プログラム」以外を選んだ方は、試験を受けることになります。試験は4次まであります。
・1次試験
時間……50分
形式……選択式(一部記述式)
内容……おもてなしの心や接客についての問題
・2次試験
時間……50分
形式……選択式(一部記述式)
内容……日本酒の基礎知識についての問題
・3次試験
時間……50分
形式……記述式(一部選択式)
内容……テイスティングをして日本酒の品質の評価、劣化状態の判定などについての問題
・4次試験
時間……50分
形式……記述式
内容……日本酒のサービス、セールスプロモーションについての問題
唎酒師「出題例」
試しに3級の例題を見ていきましょう。
【問題1】保存管理時に適度な湿度が必要な酒類を選びなさい。
- 焼酎
- 日本酒
- ジン
- ワイン(コルク栓の場合)
【問題2】日本酒造りに使用される水の総称を選びなさい。
- 酒造用水
- 醸造用水
- 割水用水
- 仕込用水
【問題3】3段仕込みの目的について正しい文章を選びなさい。
- 酒母の濃度や酵母密度が薄まり、不要な微生物が繁殖するのを防ぐため
- 仕込みの手間を省くため
- 酵母が死滅しないよう、アルコール濃度を徐々に高めるため
- 数回にわけて仕込むことで、吟醸香の発現性を高めるため
【問題1】④ワイン(コルク栓の場合)、【問題2】①酒造用水、【問題3】①酒母の濃度や酵母密度が薄まり、不要な微生物が繁殖するのを防ぐため
いかがでしょうか。しっかりと学習し、準備をしていきましょう。
唎酒師「費用」
費用は大きく分けて「受講受験料」と「合格後にかかる費用」の2つがあります。
・受講受験料
受講受験料についてはプログラムごとに変わります。さらに、割引制度もあります。
「学生・シニア(満60歳以上)」、「FBO認定会員」、「FBO加盟団体が認定するナビゲーター取得者」に対しては割引制度があります。
①eラーニングコース
受講受験料 68,860円(税込)
最短1.5ヶ月で資格認定。
②通信コース
受講受験料78,540円(税込)
最短3ヶ月で資格認定。
③通信コース (短期集中プログラム)
受講受験料98,560円 (税込)
最短1か月で資格認定。
④2日間集中コース(通学)
受講受験料79,200円(税込)
試験合格で当日資格認定、認定証書を授与。
※コースの性質上、申込時に資格認定費用をお支払い。
⑤1日通学コース
受講受験料58,960円(税込)
対策講座を受講後、試験を受けます。
・合格後かかる費用
唎酒師の合格者にはFBOへの入会が義務付けられています。
入会にかかる費用、合格の手続きとして「入会金:19,000円、年会費:15,900円、認定登録料:25,000円」の合計59,900円が別途かかります。
SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)
最後に紹介するのが、SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)です。
こちらの資格は一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定しているものです。
世界的に有名なソムリエの田崎真也さんが日本ソムリエ協会の会長を務めています。
田崎さんが会長になってから日本の伝統的な食文化にもフォーカスを当て、日本酒や焼酎にまつわる資格制度を作ったのです。
この日本酒にまつわる資格として、SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)は2017年から始まりました。
先に紹介した日本酒検定や唎酒師と比べて難易度が高いものとなっています。
その分、深い知識をもとに料理や好みに最適な日本酒選びをアドバイスできるようになるでしょう。
SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)についてはこちらの「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)とは?資格を取って日本酒のプロになろうに」で詳しく紹介しております。
日本酒の資格は「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」の資格抜きに語ることはできないでしょう。
以上、SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)試験の概要と、受験資格や出題例など受験について紹介しました。
まとめ
以上、日本酒のソムリエになりたいと考えている方におすすめの資格を3つ紹介してきました。
「日本酒検定」と「唎酒師」、「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」がありましたね。気になる資格は見つかりましたか?
これを参考にして、ぜひご自身の目的にあう資格を選んでみてください。
合格すれば、キャリアアップにつながりますし、仮に合格しなかったとしても受験の際に勉強した知識は、きっと活用できるはずです。
積極的に資格の取得を目指していきましょう。
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