皆様、こんにちは。2015年までADV講師を務めておりました佐藤陽子です。
ワインの勉強のため渡仏し、ブルゴーニュ地方ボーヌの専門学校にてブドウ栽培とワイン醸造の職業資格、その後、ブルゴーニュ大学で醸造技術士の資格を取得いたしました。
コート・ドールで様々な経験を経て、2019年の収穫よりボージョレにおります。
私の目から見たコート・ドールとボージョレの畑作業や醸造、生活など、ブルゴーニュの情報を皆様にお届けいたします。
文・写真/佐藤 陽子
【目次】
1.雨また雨のキビしい天候のなか、ロニャージュ始まる。
2.ボジョレのたくましいガメと格闘。全身疲労に!
3.今年の夏はどこへ?
4.歴史的なワイン生産量、その理由は?
1.雨また雨のキビしい天候のなか、ロニャージュ始まる。
今年のブルゴーニュは難しい年です。
6月に入り、雨の日が続きました。つかの間の晴天が訪れた後もまた雨。
その結果、ブドウのカビ病のミルディウ(ベト病)が発生しました。私の働く畑はビオ(有機農法)のため、対策としてボルドー液の散布しかできません。また、除草剤は使用できませんので、雑草を除去するにはトラクターと人の手で行うしかありません。しかし、降雨と晴天の繰り返しのお天気のお陰で雑草が伸び放題。この雑草のお陰で、ブドウ畑は水はけや風通しが悪くなり、カビ病が蔓延しました。結実も遅く、ブドウの成長が遅い年となりました。
パッとしないお天気の中、6月末から夏の剪定であるロニャージュ(摘芯作業)が始まりました。伸びてくる新芽を落とし、樹の勢力を実に送るように人の手で樹の成長をマネージします。
今年は低気温と雨の影響によりブドウの樹の成長が進んでおらず、収穫は遅くなると言われ、ヴィニュロン達は「9月後半になる」と予測しています。
私は2015年からブルゴーニュの収穫に参加しています。毎年、天候により収穫時期が左右され、それがその年のミレジムのワインを語る所以になるのですが、現地でその状況を実感しているので、今年は難しい年になるのだと感じています。