アルザスワインとは?細身のボトルが特徴的なフランスワイン

アルザスワイン

アルザス地方で作られるワインは、ボルドーやブルゴーニュ地方のように、フランスワインの生産地として名高い地方と比較をすると、知名度こそ低いと言わざるを得ません。

しかし、アルザス地方は寒暖差の激しい気候なうえ、周囲の山脈と偏西風の影響で悪天候に苛まれにくくブドウの生育に最適な条件が整っています。

伝統的に作り続けられてきたアルザスワインを愛好するワイン通の方も少なくないのです。


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【目次】

アルザス地方ってどんな場所?

アルザスワインの特徴とは

アルザスワインはボトルの形状が個性的

アルザスワインで使われる主なブドウ品種


では、上の目次に沿ってアルザスワインを説明します。

アルザス地方ってどんな場所?

アルザス地方

そもそもアルザス地方とは、フランスの北東部にある、ドイツとスイスの国境に位置する地域のことです。

山と川に囲まれた自然豊かな地域で、童話の世界を思わせる木組みの家々が立ち並ぶ美しい景観は、「絵本の世界」や「おとぎの国」と称されることも少なくありません。

かつてはドイツ領だった影響が強く、フランスとドイツの両方の文化が息づく街並みをひと目見ようと、世界中から観光客が訪れます。

アルザスワインの特徴とは

アルザスワイン

アルザス地方で生産されるワインは、辛口の白ワインが中心ですが、地域によっては甘口の白ワインやフルーティなデザートワインも製造されているほか、赤ワインやスパークリングワインを製造するワイナリーもあるほどです。

アルザスワインが持つ特徴は、豊かな多様性にあります。
これは、アルザス地方の複雑な土壌が影響しているためです。

元々アルザス地方は海底に沈んでいた土地が、度重なる堆積や地殻変動を繰り返して形成された歴史があります。
土地が形成される過程で砂岩質石灰質などが入り乱れた結果、アルザスは場所によって土壌に含まれる成分がまったく異なる地方となったのです。

場所ごとに土壌の性質が異なれば、ブドウやワインの味わいが変化するのも道理と言えるでしょう。
恵まれた環境と土壌を活かして、個性的なワイン造りが行われています。

アルザスワインはボトルの形状が個性的

アルザスワインはボトルの形状が個性的

ちなみに、アルザスワインは「ボトル(瓶)の形状がほかのワインと異なる」という特徴があります。

例えば、ボルドー地方のワインは、ボトルの肩の部分が出っ張った形状のワインがほとんどです。
これは、長期熟成中にタンニンやポリフェノールが結晶化した澱が、グラスに入らないようにするための工夫です。

また、ブルゴーニュ地方のワインは、狭い貯蔵庫に多くのワインを保存する目的で、肩の部分をなめらかにしたボトルが多くなっています。

一方、アルザス地方のワインボトルは、ボルドーやブルゴーニュ地方のワインボトルよりも細身の形状をしています。
この形状はフルート型とも呼ばれていて、主にドイツ産のワインに採用されているボトルです。

冒頭で紹介したように、アルザス地方は、フランスの隣国であるドイツが統治していた時期が長く、街並みや文化にドイツの影響が色濃く残る地域となっています。

ワインのボトルも例外ではなく、ドイツワインの細身のボトルがアルザスワインにも使用されているのです。


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アルザスワインで使われる主なブドウ品種

ワインに使われるブドウの品種は、ボルドー地方のメルロブルゴーニュ地方のシャルドネのように、代表格と呼ばれる品種があります。

しかし、多様性のある土壌と同様に、アルザスワインに使われるブドウも様々な品種が用いられているのです。

<アルザスワインで使われる主なブドウ品種>

では、順に説明します。

リースリング

リースリングは、アルザス地方のみならず、世界中で栽培される白ブドウです。

強い酸味と洋梨を思わせる甘い芳香が魅力で、甘口と辛口ワインのどちらも製造できます。

寒さに強いので栽培もしやすく、長期熟成に耐えられる丈夫さを持つ、汎用性の高い品種として人気があります。

ミュスカ

ミュスカとは、日本国内ではマスカットの名で親しまれている白ブドウの一種で、上品な果実の風味に定評がある品種です。

長期熟成には向かない品種なので、アルザス地方でもフレッシュな早飲みワインに加工されることが多くなっています。

ピノ・グリ

ブルゴーニュ産の赤ワインには、ピノ・ノワールと呼ばれる赤ブドウが使用されます。

このピノ・ノワールの果皮が、突然変異でピンク色になったものが、ピノ・グリと呼ばれる品種です。

高い糖度が特徴的で、まろやかな味わいを持つワインの製造に適しています。

ゲヴルツトラミネール

ゲヴルツトラミネールの「ゲヴルツ」は、ドイツ語でスパイスを意味する言葉で、名前の通りスパイシーな刺激を持つブドウの品種です。
香辛料と柑橘類を併せ持った、独特の強い香りが堪能できる品種として、愛好するファンも少なくありません。

このほかにもアルザス地方では、スパークリングワインの原料となる「ピノ・ブラン」や、爽やかな風味を楽しめる「シルヴァネール」など、多様な品種がワイン造りに使用されています。

ちなみに、アルザスワインのラベルには「使用されたブドウの品種が掲載されている」という特徴があります。

品種ごとの特徴を知っておけば、アルザスワインの風味や味わいを想像しやすくなるでしょう。


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