ワインのラベルをエチケットと呼ぶ理由とは?エチケットはどう見るの?

ワインのラベル,エチケット

ワインのエチケットと聞いて「ワインを飲むときの礼儀作法かな?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

ワイン業界でエチケットと言ったら、ワインのラベルのことを指します。

ここではワインのラベルをエチケットと呼ぶ理由、それからエチケットの見方について紹介していきます。


<目次>


では、順に解説します。

ワインのラベルをエチケットと呼ぶ理由は?

ワインの外側に貼ってある表示のことを英語ではラベルと呼びますが、フランス語ではエチケットと呼びます。

このエチケットの語源は、礼儀作法を意味するエチケットと同じとされています。

もともとエチケットとは、宮廷に立ち入る際に守るべきことを書いて貼りつけた札・その作法のことを指しました。

そこからワインに貼りつける紙(ラベル)のこともエチケットと呼ぶようになったのだそうです。

ワインのラベル – エチケットの見方

エチケットからはワインの様々な情報を知ることができます。

エチケットによく表示されている8つの項目について見ていきましょう。

<エチケットによく表示されている項目>

  1. ワイン名
  2. 産地
  3. 生産者名
  4. ヴィンテージ(収穫年)
  5. 容量
  6. 既得アルコール度数
  7. 瓶詰め元の名前と住所
  8. ブドウの品種

※こちらの項目はあくまでもよくある表示されている項目です。すべてのワインに書かれているわけではありません。

国によってエチケットの表示が異なる

ワインが造られる国によってエチケットの表示内容に違いがあります。

なぜならワインに関する法律が国によって異なるからです。

国によっては表示している項目自体が少ないこともあります。

例えば、フランスやイタリアといったヨーロッパのエチケットには多くの場合、ブドウの品種名は書かれていません。

また、エチケットに表示できる基準も国によって異なります。

「○○%以上同じブドウ品種を使ったものでないと、ブドウ品種の表示に使用できない」とか「○○%以上同じ畑で収穫されたブドウを使っていないと産地名を表示できない」といったルールがあるのです。

このルールは国によって異なります。

例えば、日本では国内で収穫されたブドウのみを使ったものにしか、日本ワインと表示できません。

こうしたルールに準拠してエチケットを作りますので、結果的に産地やブドウ品種を表記していないこともあります。

フランス(ボルドー)ワインのエチケット

実際のエチケットを見ていきましょう。

ワインのラベル,エチケットの読み方

ボルドーワインのラベル-エチケットの例

このワインのエチケットからは、以下の7つの情報が分かります。

この7つの情報の解釈のしかたを以下で解説します。

❶元詰め先

この表示からはワインがどこで瓶詰されたのか分かります。

「MIS EN BOUTEILLE ~(ミザン ブテイユ~)」というのが、「~でワインが瓶詰されました」という意味です。

ここで表記されているのは「MIS EN BOUTEILLE AU CÂTEAU」。つまり、シャトー(生産者)元詰めということです。

❷生産者名

「CÂTEAU MARGAUX(シャトー・マルゴー)」とありますね。

ボルドー地方メドック地区で格付け最上位には五大シャトーがあります。そのうちの1つがCÂTEAU MARGAUX。

つまり、このワインはボルドー地方の中でも最上位に位置する高級ワインだということが分かります。

❸ヴィンテージ(収穫年)

ブドウを収穫した年が書かれています。

ここには「2002」とあるので、このワインに使われているブドウは2002年に収穫されたものだということです。

❹格付け

ボルドー地方メドック地区では、60ほどのシャトー(生産者)が1級から5級まで、5つの等級に分けられています。

数字が小さくなるほど、優良なワインを生産するシャトーということになります。

ここにある「PREMIERS GRAND CRU CLASSÉ(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ)」というのは、その最上位を意味しています。

先ほど紹介した五大シャトーがこの最上位の等級に位置しています。

❺A.O.C.名

A.O.C.法(原産地統制呼称法)はフランスで決められた法律です。

この法律で決められたワインの等級は3つあります。

ブドウ品種やアルコール度数、栽培法、製造法など様々な基準をもとに、この等級が決められています。

  • 上位:A.O.C.(EU全体の基準ではA.O.P.)
  • 中位:I.G.P.(フランスでは以前ヴァン・ド・ペイと呼ばれていた)
  • 下位:V.S.I.G. (フランスでは以前ヴァン・ド・ターブルと呼ばれていた)

現在フランス全土には500ものA.O.C.が存在しています。

このA.O.C.ワインの中にもランクがあり、上から順番に村名ワイン地区名ワイン地方名ワインの3つがあります。

上位になるほど条件が厳しくなり、上質で高級なワインとなります。

ここには「MARGAUX(マルゴー)」と書かれています。
これはマルゴーという村の名前、つまり村名ワインが使われている高級ワインというわけです。

❻容量

通常サイズのボトルであれば750mlですので、750mlもしくは75clと書かれています。

こちらには「75cl」とありますので、ワインの容量が750mlということが分かります。

❼アルコール度数

「13%vol.」と書かれていますので、このワインはアルコール度数が13%ということが分かります。

以上のことから改めてエチケットの情報を簡単にまとめると、

  • フランス基準で最上位のA.O.C.(EU基準でも最上位に当たる)
  • A.O.C.の中の階層最上位、村名A.O.C.
  • ボルドー地方メドック地区の中の最上位PREMIERS GRAND CRU CLASSÉ
  • 生産者が瓶詰
  • 容量が750ml
  • アルコール度数13%

こうした情報が分かるのです。

もうお分かりかと思いますが、このワインはフランスを誇る最上位のワインです。

まとめ

以上、ワインのラベルをエチケットと呼ぶ理由、それからエチケットの見方について紹介してきました。

エチケットを読み解くのには少し苦労をした方も多いのではないでしょうか。

ですが、このエチケットが分かればワイン選びも楽しくなってきます。

これを参考にしてワインのエチケットを見ながら、選んでみてはいかがでしょうか。

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