日欧EPAってなに?ワインやチーズが割安に?

日欧EPA,ワインの価格

2019年2月1日に日欧EPAが発効されました。

いきなり日欧EPAと言っても「EPAってなに?」と疑問に思う方もいるでしょう。

結論からお伝えすると、EPAというのは経済連携協定のことで、関税を減額したり撤廃したりしていくことによって、物流の自由化を図るといったものです。

日欧EPAを発効した結果、EU産のワインやチーズが日本で安く購入できるようになります。

ここでは日欧EPAについて紹介し、どう変わったのか、そしてどう変わっていくのかをご説明します。


【目次】


では、この目次に沿って説明していきます。

日欧EPAとは

日欧EPA

EPAというのは、Economic Partnership Agreementの略で経済連携協定のこと。
つまり、日欧EPAは、日本とEU(欧州連合)における経済連携協定のことです。

人やサービス、商品、知的財産などが、自由に流通や販売できるようにしようという取り組みです。

例えば、輸入品への関税を減額したり撤廃することによって、ヨーロッパの商品が日本で安く買えたり、日本の商品がヨーロッパで流通しやすくなったりします。

そもそも関税とは

関税とは、輸入品に課される税金のことです。

関税には、国が収入を得るためという目的もありますが、それ以上に、自国の商品を守るためという目的が重要視されています。

どういうことかと言いますと、他国の安価な商品が輸入されると、国内の商品が売れにくくなります。極端な例を出すと、中国産で100円のジュースと、日本産で1,000円のジュースがあったときにどちらを選びますか?

家計の負担を考えて中国産の安いほうを選ぶと考えた方も多いのではないでしょうか。

それでは、中国産で900円のジュースと、日本産で1,000円のジュースならどちらを選びますか?

100円くらいの差ならと日本産を選ぶ方も少なくないでしょう。

安価な輸入品に規制をかけることで、日本の商品・生産者を守ることができるというわけです。

こうした関税があったからこそ、日本のお米を、タイ米などの安価な商品から守ることができたのです。

日本が経済成長してきたこのタイミングで関税を取り払うのは、よい手段とも言えるのではないでしょうか。

先ほどは輸入品の話をしましたが、輸出品、日本から海外への流通を考えてみてください。

関税が減額されたり撤廃されたりすることによって、日本の商品やサービスが海外で流通しやすくなるのです。

競争が激化していく中でさらに経済を発展させていくことができるのではないでしょうか。

ワインの関税はどう変わる?

これまでワインの関税は、「価格の15%または1,000ml(1リットル)当たり125円のうち低い税率」が使われていました。

通常ワインは750mlのボトルですので、価格の15%と93.75円のうち、低いほうが税金としてかかるというわけです。(※最低の税率は1,000ml当たり67円。750ml当たり50.25円。)

例えば1,000円のワイン(750ml)の場合、価格の15%は150円となりますので、低いほうの93.75円が関税としてかかるという仕組みでした。

もう1つ、300円のワイン(750ml)の例を見ておきましょう。300円の15%は45円となります。
この場合、最低の税率を下回るので、最低の税率である50.25円が関税としてかかります。

また、スパークリングワインの関税は1,000ml(1リットル)当たり182円、750ml当たり136.5円でした。

このワインにかかる関税が2019年2月1日に即時撤廃となりました。
もうすでに関税は撤廃され、ヨーロッパのワインが安く輸入ができています。

輸入時にはワイン1本当たり最大約94円、スパークリングワイン1本当たり約137円安くなりました。

それに合わせて各社ワインの値下げを行い、数十円~200円前後安く購入できるようになっています。

参照:「輸入統計品目表(実行関税率表)実行関税率表(2019年4月1日版)」

ワイン以外の関税はどうなる?

関税が減額されたり撤廃されたりするのは、ワインだけではありません。

例えば、チョコレート菓子を見ると、現在は価格の10%が関税となっています。
日欧EPAによって11年目に撤廃されることが決まりました。

チーズも対象の商品です。
現在は最大29.8%の関税がかかっていますが、量の制限はあるものの段階的に下げていき、16年目に関税が撤廃となります。

その他にも様々な商品が対象となっています。

詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
財務省「日EU経済連携協定」
農林水産省「日EU・EPA協定について」

なぜワインの関税は即時撤廃になったの?

日欧EPA

EPA(経済連携協定)が行われているのは、日本と欧州だけではありません。

TPP(環太平洋パートナーシップ)もありますし、日チリEPAもあります。

今回ワインの関税が即時撤廃になったのには、この日チリEPAが関係しています。

チリ産のワインは段階的に関税が減額されていき、2019年4月に関税撤廃されました。

チリ産ワインが安価になり、日本のワイン市場でシェアを拡大していき、トップとなりました。
その一方で、フランス産ワインのシェアは落ち込んでいます。

こうした背景のもと、EU側の強い要求により、ワインの関税を即時撤廃することになったのです。

参照:財務省「日EU経済連携協定(日EU・EPA)の大枠合意について」

まとめ

消費者の私たちとしては、ワインの関税が撤廃され、ヨーロッパのおいしいワインがお安く飲めるようになったということだけ知っておけばよいかもしれません。

日欧EPAと日チリEPAによって、フランスやイタリアといった本場のワインから新世界のチリ産のワインに至るまで、価格が下がり、ワインが少し身近になりました。

これを機にワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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