リケジョが行く!ワインを科学で考えるコラムvol.6 無濾過無清澄だからいいワイン?

最近はハンズオフのワイン作りがトレンドとなり、できるだけ手をかけないことが美学のように語られます。特に清澄と濾過はネガティブに捉える人も増えていますが、無濾過無清澄だからいいワインと言えるのでしょうか。

文・写真/小原 陽子


【目次】

1. 清澄はいつ、何のためにする?
2. 果汁清澄の問題点は?
3. ワインの清澄はなぜ行う?
4. 無清澄とは清澄しないことではない
5. 濾過の重要な意味は品質の維持
6. 過ぎたるは及ばざるがごとし、だけれども



本記事は、ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」が監修しています。ワインを通じて人生が豊かになるよう、ワインのコラムをお届けしています。メールマガジン登録で最新の有料記事が無料で閲覧できます。

1.清澄はいつ、何のためにする?

プレス直後の果汁

発酵後に行うと思われてしまいがちな清澄ですが、特に白ワインやロゼワインの場合、まず発酵前の果汁の段階で行うことがほとんどです。

これは圧搾したばかりの果汁には果肉や果皮のかけらなど、多くの固体が含まれていて濁っているからです。ただし、実際には「濁っている」ことが問題なのではなく、そこに含まれる固形分が微生物に分解されるなどして欠陥臭が発生するリスクがあること、固形分は酵母の栄養素ともなるため、発酵が早く進みすぎて温度が高くなり、白ワインやロゼワインに求めるアロマが揮発により失われてしまうことなどが問題で、そのためにある程度の清澄を行う必要があるのです。

 

2.果汁清澄の問題点は?

豊かな人生を、ワインとともに

(ワインスクール無料体験のご案内)

世界的に高名なワイン評論家スティーヴン・スパリュアはパリで1972年にワインスクールを立ち上げました。そのスタイルを受け継ぎ、1987年、日本初のワインスクールとしてアカデミー・デュ・ヴァンが開校しました。

シーズンごとに開講されるワインの講座数は150以上。初心者からプロフェッショナルまで、ワインや酒、食文化の好奇心を満たす多彩な講座をご用意しています。

ワインスクール
アカデミー・デュ・ヴァン