本気のワイン好きなら、一度は夢見るのが「自分のブドウ畑をもつこと」。このたび、2020年におけるフランスのブドウ畑価格を、SAFER*(土地整備農事株式会社)が発表した。SAFERは、フランスの農地売買を仕切る非営利法人だ。今回はこの話題を肴に一杯やっていただければと思う。
文/立花 峰夫
【目次】
1. 最新!フランスのブドウ畑価格(平均)
2. 最新!フランスのブドウ畑価格(上位)
3. SAFER価格と市場価格
4. まとめ
1.最新!フランスのブドウ畑価格(平均)
幸か不幸かブドウ畑には貴賤があって、価格はピンキリだ。高く売れるワインができるブドウ畑の価格は、きっちり比例して高い。
まず、平均から見ていこう。AOPワインを生めるブドウ畑の平均価格は、1ヘクタールあたり1941万円。農地として見るなら、これは相当高い。
ただし、この数字にはカラクリがあって、シャンパーニュ地方がむちゃくちゃに平均価格を上げているのである。
シャンパーニュ地方を除くと、平均価格は約半額の1006万円まで下がる。シャンパーニュ地方は、面積では全AOP畑のたった7%しか占めていないのに、価格ベースでは52%も占めているのだ。
なお、シャンパーニュ地方の中でも地区別に差があって、一番高価なのはコート・デ・ブラン地区。1ヘクタールあたり2億6400万円もする。た、高い……。
同じAOPの畑でも、ラングドック地方のエロー県だと、226万円になる。コート・デ・ブランの100分の1にも満たない。
AOP以外のブドウ畑はもっと安い。全国平均で187万円だ。しかし、エロー県のAOP畑とあまり変わらないな。がんばれエロー県!!