リケジョが行く! ワインを科学で考えるコラムvol.8 「全房」って省略するのはとてもキケン!

少し前からワイン業界で「全房」という言葉をよく聞くようになりました。しかし、日本特有の「省略大好き文化」の弊害として、本来2種類ある「全房」を混同している場面が散見されます。「全房」とは何なのか、なぜこの省略がキケンなのかを解説しながら、科学的な理解も深めます。

文/小原 陽子


【目次】

1. 全房には2種類ある
2. 全房発酵は赤ワインだけに使う言葉
3. 全房圧搾は白ワインだけに使う言葉
4. 100%はわかりやすい、でもそのほとんどは不正確


1.全房には2種類ある

そもそも、「全房」には2種類あるということをまず念頭に置いておきましょう。すなわち、「全房発酵」と「全房圧搾」です。これらの意味を、きちんと理解できているでしょうか。文字通り「全房のまま発酵すること」「全房のまま圧搾すること」でしょう?と思われるかと思いますが、では赤ワインと白ワイン、どちらにいつ使われるのか、きちんと区別できていますか?

 

2.全房発酵は赤ワインだけに使う言葉

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