ウェビナーでガリガリ学ぶワイン vol.7~シャネル(シャトー・ローザン・セグラ&シャトー・カノン)「ボルドーの左岸と右岸からワイン造りの潮流を学ぶ」

67Pall Mallの新しいビデオプログラムが完成した。素晴らしい映像のクオリティだ。ボルドーのジロンド川とドルドーニュ川が合流してガロンヌ川がゆったりと流れゆく場所でのテイスティングの様子にはうっとりする。この左岸と右岸の両方にシャトーをもつシャネルのワイン造りが今回のテーマだ。ボルドーのワイン造りの潮流や両岸の違いを紐解く。

文/織田 豊


【目次】

1. 左岸と右岸の違いは?
2. シャトーの買収
3. テロワール・土壌の違いと河川の影響
4. 収穫と醸造の潮流
5. 熟成させてからワインを飲もう!
6. まとめ


1.左岸と右岸の違いは?

https://www.67pallmall.tv/play/e05338d0-7284-4a56-ab75-321f5f6ef516_6E8252c

今回登場するワインメーカーは、ニコラ・オードベール。LVMHのアルゼンチン・メンドーサ州、ルハン・デ・クージョのシュヴァル・デ・ アンデスでもワイン造りに携わっていた。

彼は、2014年からはシャネルの経営するボルドー左岸、右岸のシャトーの醸造長を兼務している。ひとつはシャネルが1994年に手に入れた左岸メドック格付け2級のシャトー・ローザン・セグラ。もうひとつが右岸サン・テミリオン・プルミエ・グランクリュ・クラッセ(B)で、1996年にシャネル傘下に入ったシャトー・カノンだ。GQ誌に出てきそうなイケメンである。

聞き手はジェーン・アンソン。彼女はデキャンタ―誌で執筆するボルドーの特派員。2003年から長期に渡って現地から生の情報を発信している。最近では、ボルドー全体をあまねく網羅した「インサイド・ボルドー」を発刊した。

「マルゴーではローザン・セグラ。サン・テミリオンではカノン。左岸と右岸の両方でこんな宝石の様なシャトーを所有しているところはあまりないわね。」

左岸は規模の大きなシャトーを企業が運営している所が多いのが特色。一方、右岸は家族経営の農家的なおもむきが中心だ。

「左岸と右岸の全く違うテロワールでワイン造りができるのはとてもラッキーだね。ローザン・セグラは、20種類の異なる土壌に恵まれていてモザイクのパッチワークのようだよ。一方、カノンはサン・テミリオン特有の単一土壌。だから、ワインのスタイルが違う。」

この2つのシャトーでシャネルはワイン造り全ての過程で、異なった土壌や気候に適応するようなワイン造りをしている。だから、夫々(それぞれ)のテロワールを良くわかった2つのチームに分けているのだ。

 

2.シャトーの買収

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