ワインエキスパート資格とは?合格率は?5つのメリットとその難易度を解説

ワインの専門家といえばソムリエ。ワインを職業にする人たちにとって必須の資格です。

しかし、ワインと直接関係のない職につかれている一般のワイン愛好家でも取得ができて、ソムリエと同じぐらい箔のつく資格があります。

その名も「ワインエキスパート」。

日本で最も多くのワインエキスパート資格試験合格者を輩出してきたワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン。

本記事では、アカデミー・デュ・ヴァンがワインエキスパート資格・試験のあらましや難易度・合格率と、それを取ることで得られるメリットを、以下の目次で説明していきます。


<目次>
1.ワインエキスパートってどんな資格?
2.ワインエキスパート資格試験の概要と難易度・合格率
3.ワインエキスパート資格を取得するメリット


日本で取得できるワイン愛好家向けの資格は数ある中で、知名度も高く資格保有者の人数が多いワインエキスパート資格ですが、合格には相応の努力が必要です。

そのあたりも含め詳しく解説します。

1.ワインエキスパートってどんな資格?

ワインエキスパート資格とは?5つのメリットとその難易度を解説

ワインエキスパート資格とは?5つのメリットとその難易度を解説

「ワインエキスパート」とは、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が1996年から認定している、ワイン愛好家の方向けの民間資格です。

ソムリエ」を1985年から認定している日本ソムリエ協会(J.S.A.)が、ワインと関係のない職業についているワイン愛好家の方にも同等の資格をという要望を受けて、ワインエキスパートの資格が生まれました。

ワインに関するプロ向けの資格である「ソムリエ」は、受験するのに3年(日本ソムリエ協会の正会員は2年)の関連職種実務経験が必要なのと同時に、現職であることも求められるのに対し、「ワインエキスパート」は、満20歳以上の成人なら誰でも受験ができます

とはいえ、「ソムリエ」よりも取るのが簡単な資格なのかといえばそんなことはまったくなく、試験準備のための公式テキストも同じなら、試験の形式もほぼ同じ、難易度・合格率も変わりません。

つまり、職業的なバックグラウンドによって受験できる資格が変わるけれど、「ソムリエ」と「ワインエキスパート」は同じ「格」の資格だと言うことができるでしょう。

「ソムリエ」の対象職種には就いているけれど、実務経験年数が足りないから「ワインエキスパート」を取ったという、プロの方も少なくありません。

ワインエキスパート資格の累積合格者数は、認定開始年の1996年から2022年までの26年間で、合計21,064人。

認定開始年が早いソムリエ(1985年から2022年までの累積合格者数39,149人)と比べれば半分程度の資格保持者数になりますが、それでも相当な数であることには間違いなく、ワイン愛好家にとってのスタンダードな資格だと言えます。

2.ワインエキスパート資格試験の概要と難易度・合格率

ワインエキスパートの試験は年に1回、夏から秋にかけて行われます。

試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験はいわゆる筆記で二次試験が実技(テイスティング)。

一次試験を合格した場合にのみ、二次試験は受けられます。

ワインエキスパート資格 一次試験の概要

一次試験は、選択肢から正解を選ぶ方式で、世界中のワイン産地についての知識を問う設問を中心に、ワイン、日本酒、その他のお酒について幅広く問われます。

出題のもととなるのは、毎年3月上旬にソムリエ協会が発行する年度版公式テキスト『日本ソムリエ協会教本』に記載の内容です。

問題の難易度は高く、「ふつうにワインに慣れ親しんでいれば、自然と身につく知識」が、一次試験で出題されることはまずありません。

試験対策の暗記学習を入念に行うことで、はじめて解けるような問題ばかりです。

ワインエキスパート資格 二次試験の概要

二次試験では、スティル・ワイン4種、スティル・ワイン以外のアルコール飲料1種を、銘柄がわからない状態でテイスティングして、その特徴や素性を答えます。

スティル・ワイン4種については外観、香り、味わいについて語群の中から選んでコメントを作成し、生産国、主要ブドウ品種、ヴィンテージなどについても選択肢の中から回答します。

スティル・ワイン以外のアルコール飲料については、銘柄名を選択肢から回答するのみです。こちらも、日頃からワインを飲んでいれば、それだけで正解できるような試験ではなく、専門的なワインのテイスティング技術が求められます。

ワインエキスパート資格試験の難易度・合格率

一次・二次トータルでの合格率(2013~2017年)は、平均で37.6%。直近5年の合格率(2018~2022年)は、38.8%です。3人に1人の狭き門です。

合格のために必要な試験準備期間は、個人差はありますがおおむね半年から1年ぐらいでしょう。

一次試験、二次試験ともに独学でパスすることは不可能ではありませんが、いろんな意味で険しい道のりにはなります。

アカデミー・デュ・ヴァンをはじめとするさまざまなワインスクールが、試験の約半年前から対策講座を開講していますので、そうした講座に通って学ぶのが合格への早道です。

3.ワインエキスパート資格を取得するメリット

ワインエキスパート資格を取得するメリットとして以下の5つがあげられます。

では、5つのメリットそれぞれにつき解説します。

メリットその1 世界中のワインについての専門的知識が幅広く身につく

さて、この難関であるワインエキスパート資格を、なぜワイン愛好家の方が頑張って取ったほうがよいのでしょう。

その最大の理由・メリットは、「試験勉強の過程で、世界中のワインについての、バランスよく幅広い専門知識を身につけることができる」ことです

ワインは何も知らなくても楽しむことのできる飲み物ですが、知識があったほうがよりその楽しみが広がります。

ワインにおける知識とは、スポーツにおけるルールのようなものです。野球を観戦して楽しむことは、ルールを知らなくてもできますが、ルールを知っている方がより楽しみが広がります。

また、スポーツ観戦が好きならば、野球だけよりサッカー、バスケット、バレー、テニス……と、いろんな種目のルールに通じていたほうがあれこれ楽しめるでしょう。

ワインも同じです。
特定の産地のワインだけを、何も知らずになんとなく好みで飲んでいるよりは、世界中のワイン産地についての知識=ルールを知った上であれこれ飲むほうが、その歓びが何倍にもなります。

世界中のレストランやワインショップで、自由自在にワインが選んで楽しめるようになったら、素敵ではないでしょうか。

メリットその2 プロレベルのテイスティング技術が身につく

ワインのプロが駆使するのと同等の、テイスティング技術・表現技術が身につくことも、この資格を取る大きなメリットのひとつです。

ワインを分析し、言葉で表現できるようになると、そのワインの特徴や美点がよりくっきりと認識できるようになります。

換言するならば、ワインがより「美味しく」なるのです。

また、訓練の過程で世界中のワインを繰り返し試飲しますから、今まで飲んだことがなかった、思わぬ「掘り出しモノ」を発見することもあるでしょう。

テイスティング技術が身につけば、プロや同等の技能をもつ愛好家たちと、ワインの感想や意見を、専門的なレベルで交換することもできるようになります。

メリットその3 ワイン業界への転職時に有利

好きが嵩じた結果、愛好家の方がワイン業界へ転職したり、ワイン関連の副業を始められたりすることはよくあります
(アカデミー・デュ・ヴァンの受講生の方でも、そうした例は少なくありません)。

ワイン業界では、ワインエキスパート資格は、ソムリエ資格と同等のもの、あるいはそれに準ずるものと広く認められています。

ですから、ワインエキスパート資格をもっていると、転職時や副業探しの時に、自分のスキルレベルを証明する手段になります。

メリットその4 「J.S.A.ワイン検定」の認定講師になれる

たとえワインのプロではなくても、ワインエキスパート資格保持者には、学んだことをアウトプットし、人にワインの楽しさを伝える場が与えられています。

それは、日本ソムリエ協会が認定する初心者向けのワイン資格である「ワイン検定」の認定講師を務めることです。

予めソムリエ協会主催の教育訓練を受けて認定講師となったワインエキスパート資格保持者は、ご自身で会場を手配して、ワイン検定を受ける方向けの事前講習会と検定試験を実施することができます。

この検定の認定講師になれるのは、ソムリエ協会の会員であるワインエキスパート資格保持者のみ。ソムリエ資格保持者はなれません。

ワイン検定の詳細についてはこちらをご覧ください。

また、日本ソムリエ協会は3年ごとに、「全日本J.S.A.ワインエキスパートコンクール」という選手権を開催しています。

我こそはという腕自慢の方は、こうしたコンクールに出場されてご自身を試されてはいかがでしょうか。

優勝者には賞状などのほか、海外旅行研修や、賛助会社からの副賞(ワインなど)が贈られます。

メリットその5 学びの証が手に入る

上記にあげた4つのメリットは、比較的実利的な事柄でしたが、最後にお伝えしたいのは、自分自身に対するご褒美的なものです。

どんなことであれ、自分の情熱の対象について、学びやトレーニングの証、それが形になったものが手に入るのは、無条件に嬉しいはずです。

あなたがたまらなくワインが好きならば、それだけでワインエキスパート資格を目指す理由になります。

まとめ

本記事では、ワインエキスパート資格のあらましと、なぜワイン愛好家がこの資格を取ったほうがいいかについて述べてまいりました。

愛好家向けの資格というと、単なる自己満足の手段などと腐す向きもありますが、そんなことは決してありません。

ご紹介してきましたように、ワインエキスパート資格を取ることで得られるものは、多方面にわたって豊富にあるのです。

簡単にとれる資格ではないものの、それだけに取ったときの喜びはひとしおですから、ぜひ勇気を出して果敢に挑戦してみてください!

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