シェリー酒ってどんなお酒?ワイン好きなら知っておきたい知識

シェリー酒ってどんなお酒?

日本ではシェリーのことをシェリー酒と呼ぶことが多いです。

「酒」とつくことから、日本酒や梅酒といったような、お酒のカテゴリーの1つではないかと感じるかもしれません。

ですが、シェリー酒はワインの一種ですので、間違えのないように覚えておきましょう。

そんなシェリー酒はどんなお酒なのでしょうか。

今回はシェリー酒についてお伝えします。


【目次】

シェリー酒(Sherry)とは

シェリー酒ってどんなときに飲む?

どうやって造られる?ソレラ・システムとは

シェリー酒を造るのに使われるブドウとは

シェリー酒の種類にはどんなものがある?


上の目次に沿って、シェリー酒について説明していきます。

シェリー酒(Sherry)とは

シェリー酒とは

シェリー酒とは、スペイン南部にあるアンダルシア地方のヘレス(Jerez)という町を中心とした地域で造られる白ワインのことです。

独特の香りや風味を持ち、ワイン以外のお酒に間違えられるほど、特徴のあるお酒です。

見た目にはウイスキーのような色合いをしているものもありますが、それは白ワインです。

こうした香りや風味、色以外にも特徴はあり、通常の白ワイン(スティルワイン)よりもアルコール度数が少し高くなっています。

通常のワインのアルコール度数が12度前後なのに対して、酒精強化ワインのシェリー酒は15度前後になります。

アルコールが強いので小さめのワイングラスを使って少量ずつ楽しむとよいでしょう。

酒精強化のワインとは

酒精強化のワインというのはフォーティファイドワインとも言い、ワインを醸造する際に高アルコールの蒸留酒を加えて、アルコール度数をおおよそ15~22度にまで高めたワインのことです。

ポートワインマデイラワインと合わせて世界三大酒精強化ワインとされています。

あるいはそこにマルサラワインを加えて世界四大酒精強化ワインと呼ばれています。

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シェリー酒には他に呼び名がある

日本でシェリー酒と呼ばれていますが、世界中にはいくつかの呼び名があります。

現地のスペインではヘレスのワインという意味の「ビノ・デ・ヘレス(Vino de Jerez)」と言い、フランス語ではケレス(Xerez)英語ではシェリー(Sherry)と言います。

愛称として各国にこうした呼び名が存在していますが、原産地呼称法における正式名称があります。それは、この3つの呼び方をつなげた「ヘレス・ケレス・シェリー(Jerez-Xerez-Sherry)」です。

この原産地呼称法では正式名称だけでなく、この名前を名乗ることのできる権利も決められています。
つまり、シャンパンと同様に、シェリー酒と名乗ることのできる製法や産地などが決められているのです。

そのため、他の国や地域において同じブドウ品種を使って同じ製法でワインを造ったとしてもシェリー酒と名乗ることはできません。

シェリー酒ってどんなときに飲む?

シェリー酒は食前酒として有名です。

食前酒を飲んで胃を刺激すると食欲が湧くと言いますから、ぜひとも食事の前にアルコールを飲んでみてください。

「とりあえずビール」と注文する方が多いですが、最初の1杯もワインにしてみることをおすすめします。

食前酒としてはシェリー酒以外に、スパークリングワインを飲むこともありますし、キールミモザスプリッツァーといったワインのカクテルを飲むのもよいでしょう。

食事を楽しむためのお酒ですから、飲む量などはメインディッシュの味が分からなくならない程度にしてくださいね。

どうやって造られる?ソレラ・システムとは

ソレラ・システム

ソレラ・システム

シェリー酒の醸造・熟成方法についても見ていきましょう。

シェリー酒の生産では、最初にアルコール発酵を完全に完了させた辛口ワインを造ります。

そのワインにブランデーを添加してアルコール度数15%まで酒精強化します。

その次は熟成樽にワインを移します。

普通は樽一杯にワインを入れて酸素と触れないようにするのですが、このときに注ぐ量は樽の7分目までです。

そうすると、樽内に入ったワインの産膜酵母が液面にフロール(白い膜)を張ります。

そのフロールが酸素からワインを守るとともに、「フロール香」と呼ばれる独特の風味を与えるのです。

ワインを詰めた樽は3~4段に積み重ねて保存されます。

伝統的な並べ方としては上の段から順に新しいワインの入ったワインとします。

一番下にくるのが一番古いワインが入った樽です。

瓶詰するときには下段の樽からワインを一部取り出すのですが、このとき樽内のワインを3分の2以上残すようにしています。

そして、取り出された分の量をすぐ上の樽から補充することで、出荷するワインの品質を常に一定にしているのです。

樽の並び順は伝統的には上になるにつれて新しくしているのですが、最近では生産者の利便性に合わせて変えています。

このブレンドして品質を一定にする方法をソレラ・システムと言います。

シェリー酒を造るのに使われるブドウとは

シェリー酒を造る際に使用が認められているのは、3種類の白ブドウです。

<シェリー酒造りに使用が認められているブドウ3種>

  1. パロミノ(Palomino)
  2. モスカテル(Moscatel)
  3. ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximénez)

パロミノ(Palomino)

シェリー酒は主に、このパロミノと呼ばれる白ブドウから造られています。

果皮が薄く、特徴的な香りもなく酸味が穏やかでニュートラルなのが特徴です。

パロミノは、シェリー酒以外には使われない品種と言われています。

モスカテル(Moscatel)

モスカテルは、マスカット系の品種の白ブドウです。

桃や花を連想させる香りとフルーティーな味わいのブドウです。

この白ブドウは甘口のシェリー酒を造るのに使われています。

ペドロ・ヒメネス(Pedro Ximénez)

ペドロ・ヒメネスは、モスカテルと同様に甘口のシェリー酒を造るのに使われています。

天日干しで水分を蒸発させることで、糖分や酸味などの成分が凝縮した干しブドウになります。

そのブドウを使うことで極めて甘いシェリー酒を造ることができるのです。

シェリー酒の種類にはどんなものがある?

シェリー酒の種類

様々な種類のシェリー酒

シェリー酒と言うと、辛口をイメージする方が多いかもしれません。

ですが、辛口から甘口に至るまで実に様々な種類のシェリー酒があります。

その中から代表的な種類を7つ紹介します。

フィノ(Fino)

フィノは、すっきりとした辛口タイプのシェリー酒です。

淡い金色で、アーモンドのような香りがあり、軽い口当たりとなります。

マンサニーリャ(Manzanilla)

マンサニーリャは、色も味わいもフィノに似ています。
フィノと異なるのは産地。

サンルーカル・デ・バラメーダ産のものがマンサニーリャと呼ばれます。

アモンティリャード(Amontillado)

フィノを7年ほど熟成させ、しっとりした味に仕上げたものがアモンティリャード。

ヘーゼルナッツのような味があり、フィノよりアルコール度数がやや高く、琥珀色をしたワインです。

オロロソ(Oloroso)

オロロソはフロールを発生させずに熟成させたものです。

シェリー酒の中でもアルコール度数が高く、17~22度ほどです。

刺激的な香りコクのある辛口ワインです。

クリーム(Cream)

クリームは、オロロソに甘味を加えたシェリー酒です。

甘口のクリームは食後酒に適しています。

モスカテル

白ブドウのモスカテルを使って造られたシェリー酒のこと。

マスカット系の香りや味わいのある甘口タイプのワインです。

ペドロ・ヒメネス

ペドロ・ヒメネスというブドウ品種を使ったシェリー酒のことです。

黒に近い濃い色をしているのが特徴的。非常に甘いワインです。

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まとめ

以上、シェリー酒についてお伝えしました。

ワイン好きにはぜひ飲んでほしいのがシェリー酒です。

ワインをあまり飲まないという方も、一度シェリー酒を飲んで虜になってしまうなんてこともあります。

そんな魅惑的なシェリー酒ですから、試してみない手はないでしょう。

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