ワインとチーズは鉄板の組み合わせ。けれど、どんなワインにでもチーズが合うわけではありません。
ワインとチーズに精通する料理家の青海七生さんが、その季節においしいチーズを使ったレシピを提案。ぴったりのワインと合わせて紹介します。
ひとりでも、家族や仲間とでも楽しめるチーズ&ワインのペアリングに、ぜひトライしてみてください。
文・写真/青海 七生 編集/谷 宏美
【目次】
1. 春はシェーヴルの季節!
2. 【材料】
3. 【作り方】
4. 今回のチーズ/サント・モール・ド・トゥーレーヌ
5. 合わせるワイン/ソーヴィニヨン・ブラン
1. 春はシェーヴルの季節!
春の陽射しとともに、シェーヴルタイプのチーズ(山羊の乳で作られたチーズ)が旬を迎えます。
若草や野の花など、みずみずしい春の草花を食べた山羊乳で作るフレッシュなチーズは、それだけで旬のごちそう。春の恵みがたっぷり詰まったシェーヴルチーズに、柔らかな新芽のハーブをのせ、はちみつをたっぷりかけてみました。オードブルにも軽食にもなる簡単でスタイリッシュな一品です。
春の訪れを感じるひと皿をお試しになってみてください。
2.【材料】
- 〔今回のチーズ〕サント・モール・ド・トゥーレーヌ
- ナッツ入り全粒粉のパン(薄くスライスしたもの)
- 新鮮なタイムの葉 適量
- はちみつ 好きなだけ
3.【作り方】
1. サント・モール・ド・トゥーレーヌを1センチ前後の厚さにスライスする。
2. パンにスライスしたサント・モール・ド・トゥーレーヌをのせる。
3. 2.にタイムの葉を散らし、はちみつをかける。
4. 今回のチーズ
サント・モール・ド・トゥーレーヌ
今回はシェーヴルタイプ(山羊のミルクを原料としたチーズ)の代表的なチーズ「サント・モール・ド・トゥーレーヌ」を選んでみました。円筒状で中心に藁(わら)が1本通っているのが特徴のチーズです。チーズを切る際に藁を抜くと、円筒状のチーズの中心に穴が開いた状態になります。
木炭粉がまぶされた黒っぽい外皮は、細かいシワでびっしりと覆われています。なんともいびつな形と色に衝撃を受けた私は、このチーズを敬遠していました。けれどチーズを学ぶにつれ、シェーヴルに木炭粉をかけることで有益なカビに適した環境になり、シェーヴル特有の酸味もやわらぐこと、熟成が進むにつれて細かなシワが入ることを知り、勇気を出して口にしてみることに。
シェーヴルにもいろいろな種類がありますが、木炭粉を用いないものと比べて酸味がグッとマイルドで、凝縮した優しいミルクの味わいに感激。以来、シェーヴルを選ぶときは、木炭粉のかかったタイプのものを選ぶのが常になっています。
5. 合わせるワイン/ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランの白
産地: ニュージーランド・ワイララパ地方
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
タイプ:白
ハーブをのせたフレッシュなシェーヴルチーズに、草原を思わせる爽やかでグラッシーな白ワインはベストマッチ。
フランス・ロワール地方のチーズなので同じロワールのソーヴィニヨン・ブランは定番ですが、今回はニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを合わせてみました。穏やかで心地のよい酸とフルーティな果実味で、春の喜びを存分に味わえることでしょう。
青海 七生/Nao Aoumi
フランス独立記念日と同じ7月14日生まれ。「きっとフランスに縁があるのよ」と両親にいわれ続け、大学では仏語を専攻。フランス留学&ワーキングホリデー、仏系証券会社勤務、南仏でのレストラン研修と、フランスと関わる人生を歩む。2019年よりフランス・ボルドーを拠点に活動。雑誌やWEBなどのメディアに料理コンテンツを提供・監修する傍ら、ボルドーのマルシェにておにぎり屋さんをオープン。
J.S.A.認定ワインエキスパート、C.P.A.公認チーズプロフェッショナル資格保有。
公式インスタグラム:@naoaoumi(日本での活動)、@nao_japon(フランスでの「オニギリ・ボルドー」)