ワイン関係者の間で「もう行った?」「早く行かなきゃ」と話題になっているワインショップ、「セラードア青山」。ファインワイン輸入会社の直営店で、ワインバーも併設している。それは間違いのないワインショップであろうと思いきや、そこは単にワインの販売にとどまらず、売り手と買い手のこれからのコミュニケーションを考えた、新時代のワインスポットなのだ。
文・写真/谷 宏美
【目次】
1. ワインとの距離が近くなる新スポット
2. 洋服を選ぶようにワインを選べる「ザ・ブティック」
3. リラックスしたムードで洗練されたサービスを受けられる「ザ・サロン」
4. ショップDATA
1. ワインとの距離が近くなる新スポット
洗練と革新が同居する街、青山。知る人ぞ知る隠れ家のような空間でトレジャーハントができる。そんな青山・外苑前に珠玉のようなワインスポットが現れた。優良なファミリーワイナリーだけを取り扱うインポーターのジェロボームがプロデュースした「セラードア青山」。セラードアとはワイナリーにあるテイスティングやショップを兼ねたスペースのことで、この新店舗はまさにワイン生産者と消費者の接点となる場としてオープン。「ザ・ブティック」と名づけられたショップ、ワインとともに洗練された料理をいただける「ザ・サロン」から成る。
かのチャーチル首相が愛したシャンパーニュのポル・ロジェや認可13品種すべてを使うシャトーヌフ・デュ・パプで知られるシャトー・ド・ボーカステル、ブラッド・ピットがファミーユ・ペランと始めたミラヴァル・ロゼ。ジェロボームが扱うのは、そんな優良でありながら個性のある造り手たちだ。
「私たちが扱うワインと消費者の距離が近くなる関係を築きたいと思った」と、ジェロボーム代表のカール・ロビンソン氏。ファインワインの価格は高騰し、オリヴィエ・バーンスタインやペトリュスなどはレストランのワインリストで目が出る価格に。一方でそれを求めるコレクターもいる。「輸入元という垣根を超えて、ワインと消費者が出会える場。ワインを通じて豊かで特別な体験ができる空間を完成させた」。消費者は輸入元が卸した小売店で購入するのが原則だが、ここに来ればファインワインに出会うことができ、そのワインを味わうこともできる。消費者がワインと造り手をグッと身近に感じられる場所。それが、セラードア青山なのだ。