ワインバーや居酒屋などで見かける「ハウスワイン」。
このハウスワインがどういうワインかご存知でしょうか?
テーブルワインやグラスワイン、デイリーワインと混同している方も多いですが、実はこれらとは異なります。
今日のディナーから使えるワインの豆知識を1つ増やすべく、ハウスワインについて勉強してみましょう。
【目次】
では、ハウスワインについてこの目次に沿って説明します。
ハウスワインって何?
ハウスワインとは、お店のいちおしワインのことを指します。看板ワインと言うこともできるでしょう。
万人受けするような味わいのワインを出していることもありますし、知り合いの生産者のワインを提供していることもあります。
ただし、ハウスワインの明確な定義に関しての決まりはありません。
そのため、ハウスワインが確実においしいワインかどうかは定かではなく、価格の安いワインにしているということもあります。
ハウスワインはボトルで提供されることもある
ハウスワインを頼むと、グラスで出されることがほとんどです。
しかし、お店によっては750mlのボトルで提供するところもあります。
ハウスワインを選ぶ際には念のため、最初にグラスなのかボトルなのか確認しておくとよいかもしれませんね。
ハウスワインはお店の顔?
ハウスワインは、そのお店の看板ワイン、つまり常にお店に置いているワインです。
ですから、このハウスワインを飲めばお店について知ることができるでしょう。
例えば、お店のワインへのこだわりや知識、センスを知れます。
看板ワインと言ってもハウスワインの単価は安いものですので、高くて質の良いお酒を出せるわけではありません。
安くておいしく、料理にも合うような主張の強すぎないワインを選ぶ必要があるのです。
そんなハウスワインを真剣に選び抜いたお店は他のメニューにも気を配っていると推測できますから、初めてのお店に行ったときにはハウスワインを頼んで試しても面白いかもしれませんね。
グラスワインとはどう違うの?
グラスワインとは、グラス1杯で提供されるワインのことを指します。
ワインを少し飲みたいというお客さんのために、ボトルやデキャンタではなくグラスで出しています。
ハウスワインを注文すると、グラス1杯で提供されることも多いことから、ハウスワインのことをグラスワインと表記しているお店もあります。
そのため、ハウスワインとグラスワインを混同してしまっている方も多いようです。
ハウスワインはボトルで提供することもあり、ボトルで提供する場合にはグラスワインとは呼べません。
テーブルワインとはどう違うの?
テーブルワインとは、産地表示のないワインのことです。
産地を名乗るにはEUでのワイン法や、各国での様々なワイン法によって厳しく統制されています。
例えば、ワイン造りの際にフランス産のブドウとドイツ産のブドウを混ぜて使った場合には産地を名乗ることができないといったように厳しい決まりがあるのです。
それぞれのワイン法では、ブドウ品種やアルコール度数、栽培法、製造法など様々な基準をもとに等級が決められており、EUのA.O.P.法(原産地名称保護法)では以下の3つの等級があります。
<EUのA.O.P.法(原産地名称保護法)での等級>
- 上位 : A.O.P. (原産地呼称保護ワイン)
- 中位 : I.G.P. (物理的表示保護ワイン)
- 下位 : V.S.I.G. (地理的表示のないワイン)
下位のV.S.I.G.に当たるものがラベルに産地が表示されていないワイン、つまりテーブルワインなのです。
上に行くほど価格も高くなりますので、他のものと比較するとリーズナブルな価格帯で手に入れることができるという特徴があります。
こういった定義のあるテーブルワインに対し、ハウスワインに明確な定義はありません。
そのため、ハウスワインにはV.S.I.G.に当たるテーブルワインを選べますし、A.O.P.に位置するワインを選ぶことも可能ではあるのです。
デイリーワインとはどう違うの?
デイリーワインに明確な定義はありませんが、直訳すると「日常のワイン」となる、つまり毎日飲むのにふさわしいワインのことを意味しています。
先ほどもご説明したように、日本ではテーブルワインにもデイリーワインにも明確な定義がないということから、ほとんど同じように使われます。
どちらもご家庭で日常的に置いておくワインと認識しておくとよいでしょう。
なお、毎日飲むデイリーワインは価格もそれなりに安くある必要があるということから、一般的に1,000~3,000円程度のワインを指します。
また、味わいに関しても飽きにくいものが適しています。
ハウスワインはいちおしのワインという意味ですから、毎日飲むためのデイリーワインとは少し異なりますね。
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まとめ
ハウスワインはお店の看板ワインですから、これを飲めばお店のワインに対するリテラシーや、こだわりを知ることができるでしょう。
初めてのお店に行った際には、ぜひこのハウスワインを頼んでみてはいかがでしょうか。