フランスワイン~世界最高のワイン産地の全体像 vol.2

ワインの聖地フランスの全体を様々な観点でざっと解説する第2回!さっと全体を読み流して、興味を持った部分を深堀すれば、色々な発見があると思います。これだけの知識を頭に入れておけば、レストランやワインショップでフランス・ワインを注文する時も、自信を持ってお気に入りの一本を選べること請け合いです。

本記事は、ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」が監修しています。ワインを通じて人生が豊かになるよう、ワインのコラムをお届けしています。メールマガジン登録で最新の有料記事が無料で閲覧できます。


【目次】

1. やっぱり大好き産地の格付け
2. 知っておけば無敵!気候と土壌
3. 歴史のうんちく話
4. ワインの造り方と当り年のうんちく話
5. まとめ


1. やっぱり大好き産地の格付け

アペラシオン

フランス・ワインが私たちになじみが深いのは、その格付け制度にも一因があります。例えば、シャブリ、シャンパーニュ、ブルゴーニュ、ボルドーと言った、アペラシオン(AOC)の名称は消費者に訴求するブランドになっています。記憶に残るので、ワインを選びやすいのです。更にそのAOCの中でも序列が一目瞭然になる格付け制度。日本人のブランド好きの心を惹きつけます。

AOC、「原産地統制呼称」は、20世紀前半に導入されました。優良な生産地に与えられるものです。もっと広域な産地からブドウが集められて、ワインが造られるIGPは、「地理的表示保護」で1ランク下の階級。最後にそのどちらにも属さない、産地の表記が無い、ヴァン・ド・フランスが続きます。

こうした階級による違いは、産地だけでなくて、使用しても良いブドウ品種や収量にも影響しますので、ワインの品質にも差が出てくるのです。大半の生産者は付加価値の高い、AOCワインの生産に注力してきましたので、ワインの総生産の内のAOCワインの比率は、20世紀後半を通して5倍にも膨らみました。結果として、今や3つの階級の内、AOCワインが最大という逆ピラミッド型のシステムとなっています。

ボルドーとブルゴーニュの格付けは理解しておくと、ワイン選びには効果てき面です。

メドック

ボルドーのメドックには1855年にできた格付けがあり、AOCワインの内、特に優れた61シャトー1級から5級のグラン・クリュに格付けされています。この格付けトップの1級には、シャトー・ラフィット・ロートシルト、マルゴーなどの錚々たるワインが並びます。格付けが定められてから殆ど変化が無く、シャトーの所有者次第で畑の管理やワイン造りは変わるので、品質にも当然、影響が出ます。ですから、見直しが無くて良いのかという声は常に付きまといます。

ソーテルヌ&バルサック(甘口白ワイン)

ボルドーの甘口白ワインの格付けでは、シャトー・デュケムが特別第1級。この下に1級と2級のソーテルヌとバルサックのワインが続きます。

サンテミリオン

メドックの対岸のサンテミリオンにも格付けが存在しますが、こちらは10年毎に見直しをすることになっています。その格付け頂点に君臨するのは、4つのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAです。この格付けは、広域のサンテミリオン・グラン・クリュAOCの中のトップ集団「グラン・クリュ・クラッセ」の中でも最上位。

ところが、クラッセAの中でも、カベルネ・フランを使った長期熟成ワインを造ることで非常に有名なシュヴァル・ブランを含めて、4つの内3つまでが今年の格付けの見直しから参加を取りやめて、話題騒然となっています。評価方法が、ワインの品質そのものよりも、ビジネスの方に傾斜してきているというのが大きな理由です。

ブルゴーニュ

ボルドーとは仕組みが違い、畑に対してグラン・クリュ、プルミエ・クリュと言った格付けが定められています。グラン・クリュでは、ロマネ・コンティの他、白ワインではモンラッシェ、赤ワインではシャンベルタンなどが良く知られています。こうした、グラン・クリュに属しているアペラシオンは、たったの33で、ワイン生産量の1パーセント足らずです。

ごく一部のモノポールと呼ばれる単独所有畑を別として、畑は細かく様々な所有者に分割所有されています。そして、その畑からできるブドウから造るワインも、多くの生産者の手によります。

ブルゴーニュ・ワインの愛好家の中には、畑の格付けと生産者の両方を頭に入れて、ワイン選びができるコノシュアー(目利き人)もいます。そんなにワインに詳しくなれたら、どんなに楽しいでしょうか。

シャンパーニュとシャブリ

この産地での格付けは、原料になるブドウを生産する村単位です。しかし、歴史的に大手のメゾンが様々な村からブドウを仕入れてブレンドします。ですので、村の格付けよりも、メゾンのブランドの浸透度や、ノン・ヴィンテージ、ヴィンテージという熟成期間の違いなどの方が注目されます。

シャブリでは、7つのグラン・クリュがスラン川の右岸の日当たりが良い南西向き斜面に固まって陣取り、プルミエ・クリュは右岸と左岸共に点在しています。

これらの他にもロワールの甘口白ワインのプルミエ・クリュのショームとグラン・クリュのカール・ド・ショームなど、他の産地でも格付けが存在しますので、時間ができたら勉強していきましょう。

2. 知っておけば無敵!気候と土壌

気候

短い夏と厳しい冬、そして昼夜の気温差(日較差)が大きい大陸性気候。シャンパーニュ地方や、ブルゴーニュ地方では、早熟なシャルドネやピノ・ノワールが大陸性の気候と相性も良く、しゃきっとした酸を持ったワインを生み出します。

ロワールは、河口に近い所は、冷涼で雨も多いのですが、寒暖差は緩やかな海洋性気候です。川を上流に遡り、内陸に入るにつれて、大陸性の影響を受けます。

一年を通して比較的おだやかな海洋性気候のボルドー。メキシコ湾海流とも呼ばれるガルフ・ストリームが、温暖さを支えています。晩熟のカベルネ・ソーヴィニョンから、カシスなどの黒系果実の香りを持ち、しっかりとしたタンニンに支えられたワインが造られます。

南ローヌや、ラングドック・ルーションは、地中海性気候。夏には雨が少なく、乾燥して病害のリスクが少なく、冬も温暖。晩熟な、グルナッシュや、ムールヴェードルが、オーガニック栽培で育てられています。ローヌ渓谷を吹き降ろす、寒冷で乾燥した北風のミストラルや、中央高地からラングドック・ルーションとプロヴァンスに向かう冷気を含んだ北風のトラモンタンと、この地域では風も大きな役割を担っています。

土壌

フランスの産地は、土壌を抜きには語れません。

シャブリとシャンパーニュ、ロワールの一部に広がるキンメリジャン土壌。貝の化石を含む泥灰質石灰岩は、今や、一大スパークリング・ワイン産地になりつつあるイギリス南部とも繋がっています。

砂利質で有名なボルドー左岸。ここでは、カベルネ・ソーヴィニョンが主流です。砂利が日差しを受けて温まり、水はけも良いので、カベルネ・ソーヴィニョンにはピッタリの土地です。同様の土壌を持ったイタリアのボルゲリでは、土壌から考えて、カベルネ・ソーヴィニョンを植えよう!と生産者が考えて、結果、見事に素晴らしいワインができたのです。

花崗岩土壌は、水はけが良いと言われていて、ボジョレー北部の高級ワインを産出するクリュ・ボジョレーの産地に見られます。

また、北ローヌ地方では、板状に割れやすく、根が土壌深くに入り込み、凝縮したワインを造ると言われている片岩が知られています。

ロワールのトゥーフォーは、ブドウ樹の根の周りの余分な水分を吸収する一方で、保水能力もあるので、栽培上有利。また、シレックスは、ケイ酸塩鉱物を含む火打石の土壌で、ソーヴィニョン・ブランからワインを造るアペラシオンのプイィ・フュメで有名です。ワインに、スモーキーさを感じさせると言われています。

他にも、シャトー・ヌフ・デュ・パプの礫質土壌のガレなど、様々な土壌が、素晴らしいワインを造り出すテロワール神話の一部となっています。

土壌がワインの香りや味わいに与える影響が、科学的に解明される日が来ることが楽しみですね。

3. 歴史のうんちく話

紀元前2世紀にローマ帝国が今のプロヴァンスとラングドック・ルーションで、ブドウ栽培を奨励した後、紀元1世紀にはボルドー、南西地区や北ローヌでもブドウ栽培が始まります。そして、南から北へと栽培地域は拡大して、ロワールでも内陸部からペイ・ナンテ地区へと徐々に広がって行き、ブルゴーニュでも4世紀までには栽培が始まっていました。こうして今日知られている主要産地では、6世紀頃迄にはワインが造られるようになっていたとされています。

宗教とワインの関係はローマ帝国以前から密接で、古代ギリシャ神話にはゼウスの子供、ワインの神ディオニソスが登場。ローマ神話では、バッカスと呼ばれます。

キリスト教は、ローマ帝国が4世紀に国教と認めたこともあり、強く結びついていきます。そもそも、キリストが最初に行った奇跡は、水をワインに変えるものでした。「最後の晩餐」で、ワインを自分の血であると表現したことも有名ですね。礼拝や聖餐と言った儀式にも必要であり、修道院はワイン造りで大きな役割を担います。中世には畑を教会に寄進する信者も増え、ベネディクト派やシトー派がブドウ畑を拡大します。ブルゴーニュの他にも、ボルドー、シャンパーニュ、シャブリ、ローヌやロワールにも広がって行きます。シャンパーニュ地方のワイン品質の向上に努力をして、その名がシャンパーニュのブランドにもなっている、ドン・ペリニヨンは17世紀から18世紀に生きたベネディクト派の修道士でした。

ドン・ペリニヨン

ブルゴーニュのグラン・クリュのクロ・ド・ヴージョもシトー派が単独で50ヘクタールにも及ぶ広大な畑を所有していたのです。それが、今では80を超える所有者に分割されています。いったい何が起きたのでしょうか?

フランス革命後、ブドウ畑は国により没収され、その後競売に掛けられます。広大な畑は単独での購入は資金的に難しく、細かく分割売却されました。更に、1793年憲法、1804年のナポレオン法典の成立で、長子相続制は廃止され、特定の一人に遺産を与える遺言は無効とされました。今に至る、ブルゴーニュの畑の細かな分割に繋がっていきます。

一方、ボルドーでは、元々の所有者が豊かだったことも有り、他人名義で落札した後に、名義の書き換えをするなどの知恵を使い、また、その後は、株式制度や信託制度により、ブドウ畑の分割を避けることができたと言われています。

4. ワインの造り方と当り年のうんちく話

ブドウ栽培

日本で見るような棚仕立てのブドウ畑はフランスでは見られません。多くは垣根仕立てで長梢剪定のギュイヨ、短梢剪定のコルドンが普及しています。温暖、乾燥な土地では、株仕立ても使われていて、ボジョレーでは、ゴブレと呼ばれています。

ブルゴーニュの有名産地では、ヘクタール当りブドウ樹1万本と言った高い密度で栽培をしています。それが理由で、凝縮した素晴らしいワインが生まれるのだという話が、世界中の生産地に当てはまるような伝説となっていますが、そんなことはありません。

温暖で肥沃な土地では、樹勢が強くなり、低い植栽密度が一般的です。ボルドーの広域アペラシオンやシャトーヌフ・ドゥ・パプではヘクタール3千から4千本程度、アルザスも5千本弱です。

灌漑は新世界のワイン産地と比べると厳しく制限されています。南のラングドック・ルーションでは広く取り入れられていますが、ボルドーやブルゴーニュでは、若木以外のブドウ樹への灌漑は、特別に申請を提出しない限りは、許されていません。

今年、2022年のボルドーでは春の霜、その後の雹、そして夏は熱波に襲われて、INAO(国立原産地名称研究所)は、灌漑の許可を出しました。灌漑を全く管理しないと収量過多の恐れもありますが、温暖化の中で、毎回、許可を取らなければならないというのも、ブドウ生産者に取っては大変な苦労です。

シャブリやロワール、ボルドーの春の遅霜も大変な被害を呼びます。一見、美しい風物詩ともなっている、夜の畑を照らすキャンドル。畑に缶を配置して、パラフィンワックスを燃焼させるブジ・キャンドルは、深刻な霜害の対策なのです。他にも、散水して、ブドウの芽を氷結した水滴が守る方法や、巨大扇風機を使って、上空の暖かい空気と地表の冷たい空気とを攪拌する対策も取られています。

フィロキセラ

フランスで起きた19世紀末に起きた大事件はフィロキセラ禍です。1800年代の半ばに北アメリカから輸入された苗木に東海岸原産のブドウネアブラムシという害虫が付着。あっという間にフランス全土に広がり多くのブドウ樹が枯死してしまったものです。1860年代前半に、南ローヌで報告が為されたものの、当時は年毎の収穫の振れ幅(ヴィンテージ差)が大きく、産地によって、被害の程度にも大きな差異が有ったので、対応の初動が遅れました。1881年に国際会議が行われて、アメリカ産のブドウ樹の台木へ接ぎ木することが最も効果的で有ると認められるまでは、抜本的な解決策が見つかりませんでした。結局、台木導入が進む20世紀初頭までに、フランスは最盛期のワイン生産の3分の1まで生産量が落ち込んでしまう期間を経験します。

醸造

産地によって、特徴のあるワイン造りが取り入れられています。

シャンパーニュでは、ブドウの梗を取り除かないで、全房圧搾をします。柔らかな圧搾で、色素やタンニンが出にくいのと、梗が通り道となってスムースに果汁が得られます。押さえておきたいのは、伝統製法(トラディショナル・メソッド)とも言われる瓶内2次発酵という醸造方法です。通常のワインを造った後に、一度、瓶詰をして、さらに糖分や酵母を加えて、もう一度瓶の中で発酵させるという方式。この造り方のお蔭で、澱と長い間接触したワインから、ビスケットやトースト、ブリオッシュと喩えられる香ばしい味わいが生まれてくるのです。

澱との接触と言えば、ロワールのミュスカデ・セーブル・エ・メール・シュール・リーは、ブドウ品種のムロン・ド・ブルゴーニュの味わいが、ニュートラルで余り特徴が無いこともあって、澱との接触を行い、クリーミーさを合わせ持った、香りの複雑性と触感への厚みを持たせています。

このムロン・ド・ブルゴーニュと生牡蠣とのフード・ペアリングで人気を二分するシャブリ。このシャブリの普及ゾーンはステンレスタンクを使って発酵、熟成をしますが、ブドウ品種のシャルドネが、やはり、ニュートラルなので、クリームやバターなどのマロラクティック発酵の香りがトレード・マークとなっています。この香りは、マロラクティック発酵が進む中で、リンゴ酸が乳酸に変換されますが、この時に副生成物として、乳酸菌がクエン酸を分解してできるダイアセチルという化合物に起因するものです。

コート・ド・ボーヌの素晴らしいクリュの白ワインは、新樽を使った熟成や、澱との接触と攪拌をします。方や、コート・ド・ニュイの高級赤ワインでは、低温で発酵前に醸し(低温浸漬)をすることで香りの抽出と色合いを深める手法を取る場合があります。

また、生産者によっては除梗せずに、全房発酵を行い、味わいに複雑味とフレッシュ感と、ピノ・ノワールでは不足しがちな、タンニンを付加する場合があります。

アンリ・ジャイエはブルゴーニュの神様と呼ばれ、ヴォーヌ・ロマネ他の畑から類まれな赤ワインを造りました。彼のお蔭で、良く知られるようになったワイン造りの手法が、低温浸漬です。一方で、ジャイエは数値や科学に頼り過ぎることなく、経験の共有をすることが大切だと考えていました。この辺りは、『最高のワインを買い付ける』カーミット・リンチ著(白水社)を機会があれば御一読ください。

ジャイエとは逆に、除梗せずに全房発酵を行う一流生産者では、DRCが筆頭です。

また、発酵温度によっても、香りや味わいに影響がでてきます。低めの温度だと、果実香が活き活きと表現され、またエステル香というフルーティ、フローラルな香りが生まれます。他方、高めの醸造温度では、滋味深い、複雑な香りを得られると言われます。

ボジョレー・ヌーヴォーに、フルーティな香りが一杯なのは、マセラシオン・カルボニックという技術を使っているからです。この手法は、コート・ドュ・ローヌでも使われています。二酸化炭素が充満したタンク内で、果実の中の酵素の働きで酸が分解されてアルコールを生み、チェリーやイチゴ、バナナといった特徴的な果実香が得られます。

ボルドーでは、様々なブドウ品種や異なった区画から収穫したブドウからできたワインや、更には醸造や熟成方法が異なったワインを最適に組み合わせるブレンドの妙がワインに深みを与えます。そうした複雑なブレンドから最高のグラン・ヴァンが出来上がるのです。長いワイン造りの経験と高いテイスティング技術が必要なこの役割を、ミシェル・ロラン、エリック・ボワスノなどのワイン・コンサルタントが担ってきました。

甘口ワインは、貴腐ブドウを使うものや、ブドウの遅摘みを待つもの、藁の上でブドウを乾燥させるもの、発酵を途中で止めて残糖を残すワインなどがあります。その中でも、ボルドーのシャトー・ディケムに代表される貴腐ワインが、最も評価が高いと言って良いでしょう。

ジュラのヴァン・ジョーヌは、ウィラージュという樽熟成に起因する乾燥によるワインの目減り分の補酒をしません。その為、長期間に渡り、酸素と緩やかに接触。酸化的な熟成を経て、シェリーのような風味を持ったワインに仕上がります。

ロゼ・ワインは、白ワインと赤ワインを混ぜるわけではありません。黒ブドウを使って白ワインを造るように、醸造前の圧搾工程で、短い時間、果汁と果皮を接触(直接圧搾法)させるか、もしくは赤ワインの醸造にしては大幅に醸しの時間を短縮するかのどちらかです。そうして、色合いや香り、タンニンなど、果皮からの成分の抽出をコントロールするのです。フランスのロゼ・ワイン生産地の代表格のプロヴァンスでは、主として、直接圧搾法で淡いピンクの美しい色合いのロゼが造られています。20世紀後半にボルドーの白ワイン造りで全房圧搾が行われていることに触発されて、ロゼ・ワイン造りに応用したとされています。

ヴィンテージ

ヴィンテージとは、ワイン用のブドウの収穫年のことです。その年によって気候に恵まれて品質の高いブドウが育つ場合や、逆に、開花や結実の時期に気温が低く、収穫時期に雨の被害を受けた年は、収穫高も、品質も期待するレベルに届かないということが起こります。

新世界の産地は、気候が安定していて、ブドウも十分に熟す年が大半ですが、フランスは過去、ヴィンテージによっては上手くブドウが熟さず、例えば、カベルネ・ソーヴィニョンでは未熟なピーマン香がでてしまうということも良くありました。

近年は、温暖化の影響が、温度の上昇、乾燥という方向に働いているので、病害虫の発生を除けば、あまり大きな問題は無いというブルゴーニュの生産者もいますが、ボルドーでは、余りの熱波と乾燥で、灌漑を申請する生産者も出て来ています。

最後に、最近の素晴らしいヴィンテージを幾つかご紹介しておきましょう。ローヌの赤ワインは、北ローヌでは、2005年、2010年、2015年、南ローヌでは、2005年、2010年、2016年。ボルドーでは、赤ワインは2005年、2009年、2010年、2016年、白ワインは2011年、2012年、2014年、2017年、ブルゴーニュでは赤は2015年が、白は2014年が夫々当り年で、2018年から2020年は温暖化の影響が大きく、果実味が強いと評されています。

5. まとめ

フランスはワインの生産量だけで無くて、ワイン造りの技術や伝統という意味でも世界の中心。ワインの聖地です。欧州はもちろんとして、アメリカやオーストラリアなどの新世界のワイン生産地も、フランスのワイン造りから大いに影響を受けています。

今回の内容は、ワイン初心者の方には、まだ難しい部分も有ったかもしれません。でも、ブドウ品種や産地或いは、ワイン造りの手法で気になるところが見つかったら、深堀して勉強。そして、そのワインをテイスティングしてみては如何でしょうか。アカデミー・デュ・ヴァンのブログ記事でも、既に色々なブドウ品種やワイン産地を取り上げて、皆さんを応援していますので、是非、一緒に楽しく頑張りましょう。

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