コロナ自粛は残念ながらまだまだ続きそうである。店だろうが屋外だろうがウチの中だろうが、家族以外の人間とワインを飲んではまかりならんとお上から言われてしまったいま、巣ごもりして映画でも見ながら、一杯やるしかない。
そんなわけで今月の特集では、ワインをテーマにした映画を5本、筆者の独断と偏見で選び、見たらワインが飲みたくなるかを検証してみる。Vol.3は、日本ワインをテーマにしたノンフィクション映画、『ウスケボーイズ』(2018)である。
※「地球上で最大級の品揃え」を誇るらしい、某大手通販サイトのオンデマンドビデオ視聴サービスで見られるものから映画は選んでいるが(各原稿執筆時点)、視聴可能作品はどんどん変わっていくから、さっさと見てくださいね。
【目次】
1. どんな映画なの?
2. ウスケボーイズって、麻井宇介さんってどんなヒトたち?
3. 映画を見てから、本を読もう!
4. 結論: ワインはどれぐらい飲みたくなるか?
1. どんな映画なの?
21世紀最初の20年で、日本ワインのカリスマに登りつめた3人の実在する栽培醸造家、岡本英史さん(ボー・ペイサージュ/映画の役名は岡村秀史)、城戸亜紀人さん(Kidoワイナリー/映画の役名は城山正人)、曽我彰彦さん(ドメーヌ・ソガ/映画の役名は高山義彦)の若かりし頃の奮闘を描いたノンフィクション・ムービーだ。
映画名のウスケボーイズとは、3人が師事したシャトー・メルシャンの名醸造家で文筆家でもある、麻井宇介さんにちなむ。
原作は、2009年小学館ノンフィクション大賞を受賞した河合香織著の『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』である。
映画版も高い評価を獲得しており、2018年のマドリード国際映画祭にて、最優秀外国語映画作品賞と最優秀外国語映画主演男優賞を獲得している。
まずは映画の公式サイトから、ネタバレにならない範囲のストーリー紹介を引用してみよう。
【STORY】
岡村(渡辺大)、城山(出合正幸)、高山(内野謙太)、上村(竹島由夏)、伊東(寿大聡)は「ワイン友の会」の仲間で、集っては世界中のワインを嗜んで蘊蓄を語り合っていた。
ある夜、日本のブドウを使ったワインがフランスより美味しいはずがないと決めつけていた彼らは、仏 vs 日本ワインでブランドのテイスティング会を開催する。
予想は外れ、世界に通用する「桔梗ヶ原メルロー」の存在を知った彼らは、この世界レベルのワインを生んだ麻井宇介(橋爪功)に憧れ、ワイン用のブドウ栽培は困難と言われたこの日本の地で麻井の思想を受け継ぎながら常識を覆すワイン造りに没頭していく。
しかし、ブドウ畑は大雨・雹・病害などに見舞われ…。
果たして、日本のワインに革命を起すことはできるのか?
実話をもとに描かれたウスケボーイズの物語。
監督が誰で、メインの俳優陣がどんなヒトでというような情報は、公式ウェブサイトに詳しく書かれているので、そちらを見てくださいな。なお、公式ウェブからは予告編の映像も視聴可能である。