未開封のワインや飲み切らなかったワインの保存方法とは?

未開封のワインや飲み切らなかったワインの保存方法とは?

「ワインをもらったり何本かのセットで買ったりしたときに、飲むまでに保存しておく方法を知りたい」、あるいは「ワインを開けて残ってしまったときに、どう保存するのか知りたい」と思ってはいませんか?

そんな方のために、ここでは正しいワインの保存方法を、以下の目次に沿ってお伝えします。


【目次】


ワインを保存する方法は、開封しているのか否かで変わります。

未開封ワインの場合と、開封後のワインの場合に分けて説明しましょう。

未開封ワインの保存場所を決める6つの条件

未開封ワインの保存場所を決める条件

未開封ワインの保存場所を決める6つの条件を以下に示します。

では、順に説明します。

条件1:10~15℃の低温で温度変化の少ないところ

未開封のワインや飲み切らなかったワインの保存方法とは?

保存をするうえで、温度は最も気にすべきポイントです。

なぜなら、温度の高い場所で保存すると、熟成のスピードを速めてしまうからです。

熟成スピードと品質には大きな関係があり、急激に熟成されたワインは、味わいのバランスがどことなく悪くなってしまいます。

その一方で、低い温度での保存については凍らないようにだけ注意してください。
少なくともマイナス2℃以下にならないように気をつけましょう。

あまりに低い温度の場所で保存すると、ワインに含まれる酒石酸という物質が結晶化し、ワイン内の酸が少なくなってしまいます。

そうなると、解凍したとしても深みのない味わいになってしまうのです。
つまり、温度は高すぎても低すぎてもよくないというわけです。

フランスやイギリスの地下セラーの温度はおおよそ10~15℃ですから、その温度を目安にして保存するとよいでしょう。

条件2:光の当たらないところ

家庭用ワインセラー

紫外線に長時間当たったワインは硫黄系の不快なにおいを生じてしまいます。
そのため、直射日光の当たらないところで保存することが大切です。

また、避けるべきなのは日光だけではありません。
蛍光灯や白熱電灯は微量の紫外線を出していますので、屋内の光にも注意が必要です。

保存するときには、光から遠ざけて暗い場所を選ぶようにしましょう。

ちなみに、ワインのボトルが緑色や茶色にできているのも紫外線対策のためなのです。

条件3:振動のないところ

振動はワインの劣化につながります。
と言ってもこれには科学的な根拠はないのですが、ワイン業界の経験則として、保存時の振動はよくないようです。

ワインの保存場所としては開け閉めして振動を与えてしまうような場所は避けることをおすすめします。

例えば、ワインを買ってきて冷蔵庫に置いておく場合などには、ポケットに入れるのではなく、寝かせて保存するようにするとよいでしょう。

条件4:強いにおいがないところ

コルク栓はワインと外気を触れないようにしているイメージがあるかと思いますが、実は密閉しているわけではありません。

と言いますのも、コルク栓には微量の空気を透過させるという特徴があります。

そのため、強いにおいのものがそばにあると、ワインがそのにおいを吸収してしまいます。

ワインにとって香りは重要な要素ですから、これは避けたい現象ですね。

たとえ、その強いにおいが自分好みのものであっても、においが移ってしまうのは好ましくないでしょう。

条件5:60~70%ほどの湿度があるところ

先ほど4つ目の条件でもお伝えしたように、コルク栓とは微量の空気を透過させる栓のことです。

ワインに少量の空気を触れさせることによって少しずつワインを熟成させていけるのです。

ところが、このコルク栓が乾燥してしまうとコルク自体が縮んでしまいます。
多量の空気がワインに触れるようになり、熟成のスピードが速くなります。

そうして熟成されたワインの味わいはバランスが悪く感じられるものになってしまいます。

条件6:ボトルを寝かせられるところ

ボトルを寝かせた状態で保存するのは、条件5でお伝えした理由と同じです。

コルク栓の乾燥を防ぐために、ボトルを寝かせるようにしましょう。
つまり、ワインをコルク栓につけてコルクを湿らせることで、コルク自体の体積を保ち、外気と触れる空気を少量に抑えることができるというわけです。

ここに紹介した6つの条件を加味して保存場所を選ぶようにしてください。

理想はワインセラーワインクーラーで保存すること。
お持ちでない方は、床下にある冷暗所室温の落差の少ない部屋の暗がり北側にある押し入れなどで保存するとよいでしょう。

ただし、夏場には注意が必要です。
北側の部屋であっても高温になります。

28℃以上の場所で保存しておくと、熱による変質・品質劣化が起こりますので、その場合は冷蔵庫で保存するとよいでしょう。

ただ、冷蔵庫での保存はあくまで一時的な対策となります。長期熟成させる場合には、ワインセラーの購入をおすすめします。

未開封ワインを保存するときに注意すべき3つのポイント

未開封ワインの保存で注意すべき3つのポイントを以下に示します。

では、順に説明します。

ポイント1:保存時の温度に気をつける

何度もお伝えしますが、ワインの保存で大事なのは温度です。

ワインセラーやワインクーラー以外での保存を考えている方にとって春や秋は常温で保存するのがよいか迷うところですね。

外気ではなく、あくまで室温に気を配りましょう。10~15℃を目安にして、そのときの室温をもとに保存場所を判断してください。

冷蔵庫で保存する場合には、最も温度の高い野菜室に入れるとよいでしょう。

ポイント2:ボトルを裸のままにせず新聞紙などで包む

ワインを保存しておくときには、瓶のままにしないでください。
これには大きく分けて光対策と、におい対策の2つの側面があります。

保存するときに新聞紙で包めば、紫外線からワインを守ることができます。

また、冷蔵庫で保存する場合はビニール袋で包むと、におい移りを避けることができるでしょう。

ポイント3:コルク栓部分にラップをする

コルク栓を乾燥させないことの大切さはすでにお伝えした通りです。

ワインをおいしく味わうためにも、コルク栓を乾燥させないようにしてください。
その対策として、コルク栓部分にはラップをすることが有効です。

ラップをしておけば、ある程度は乾燥を避けることができるでしょう。

開封後のワインの保存場所を決める条件は1つ

開封後のワインの保存場所を決める条件は1つ。

<開封後のワインの保存場所の条件>

  1. 温度が低いところ

開封後のワインの保存場所の条件は、温度が低いところで保存するということです。

これは未開封ワインの保存条件と同じですね。温度の高い場所で保存をすると、熟成が進み、品質が悪くなってしまいます。

特に開封後のワインは酸化によっても品質が悪くなりやすくなるため、低い温度で保ち、熟成のスピードを遅くさせることがポイントとなるのです。

冷蔵庫に入れて保存し、少なくとも1週間以内に飲み切るようにしましょう。

開封後のワインを保存する3つの方法

ワインを開けると、触れる空気の量が多くなりますので急速にワインの酸化が進みます。

おいしく味わうには、デキャンティングといって酸化を進める方法もありますが、酸化しすぎると果実の味がしなくなり、酸味が際立ってしまいます。

そのため、1日で飲み切らず、保存するという場合には空気に触れさせないようにする必要があります。

<開封後のワイン 空気に触れさせない保存方法>

  1. 小さな空きボトルに移す
  2. 専用のストッパーを使う
  3. コルクで栓をする

開封後のワインを空気に触れさせないようにする具体的な方法として3つ紹介します。

保存方法1:小さな空きボトルに移す

酸化を防ぐためには空気と触れる面積を少なくすることがポイントとなります。開封後ワインの保存法

そこで、効果的な保存方法は小さな空きボトルに移し変えること。小さなボトルに入れることで、瓶内の空気は少なくなります。

また、ボトルは飲み口に近くなるにつれて狭まっていますよね。
飲み口に近いところまでワインを入れることによって空気に触れる面積を少なくできます。

ですから、できるだけ残した量にピッタリ合う空きボトルを選ぶのがよいのですが、そう上手くいかないこともあります。
そんなときには、ボトルの中にビー玉を入れて、カサ増しするのもよいでしょう。

保存方法2:専用のストッパーを使う

コラヴァン,酸化防止用ストッパー

カーボンフィルターによって酸化を食い止めるボトルキャップや、ボトル内の空気を吸い出して真空に近い状態にできるポンプと専用栓のセットなども販売されています。

また、最近ではコラヴァンという器具も登場しました。この器具を使えば、そもそもコルクを抜かずに済むのです。

どういう仕組みかと言いますと、コルクに注射針を刺して窒素をボトル内に注入し、そのガス圧で必要なだけワインを取り出すことができるというものです。
つまり、ワインを空気に触れさせることなく、飲むことができます。

ボトル内のワインは酸化しないため、10年にわたって1本のワインを楽しむこともできるそうです。

ワインの酸化対策として効果的なコラヴァンですが、値段も5~6万円となかなか高価です。

「コラヴァンが欲しいけれど、そんなにお金は出せない」という方は、先に紹介したカーボンフィルターのボトルキャップや空気を吸い出すポンプと専用栓のセットの購入を検討してみてください。
こちらは3,000円以内で購入できますので、比較的手が伸ばしやすいでしょう。

保存方法3:コルクで栓をする

手頃な空きボトルもなければ、専用のストッパーもないというときには、栓として使われていたコルクを元の位置に戻してください。
そのときには、コルクをラップで包むというのがポイントです。

コルク栓を抜いたときに穴ができてしまっていますので、そのまま栓をすると穴から空気が入ってしまいます。

そのため、ラップで穴を塞いで使うようにしてください。

また、保存するときには横向きにしてしまうと、ワインと空気が触れ合う面積が多くなってしまいますので、開封済みのワインは立てた状態で保存しましょう。

まとめ

以上、正しいワインの保存方法をご紹介しました。

未開封ワインを保存するとき、飲み残してしまったワインを保存するときには、こちらの方法やポイントを参考にしてみてください。

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