キアンティ・クラッシコは、イタリアのトスカーナ州にあるキアンティ地方で生産されるワインです。
酸味と甘みのバランスがとれた味わいで、ワイン好きなイタリア人からも愛されています。
ところで、似たようなワイン名にはキアンティがあります。
同じイタリアで生産されるワインなのですが、キアンティ・クラッシコとは何が異なるのでしょうか。
【目次】
キアンティ・クラッシコ(Chianti Classico)とは
今回はキアンティ・クラッシコとキアンティの違いについて、上の目次に沿って詳しく解説いたします。
キアンティ・クラッシコ(Chianti Classico)とは
キアンティ・クラッシコは、イタリアのトスカーナ州で作られるワイン名です。
この名にあるキアンティとは、トスカーナ州の中央部に位置するキアンティ地方のことで、なだらかな丘陵地帯に果てしなくブドウ園が広がる、イタリア屈指のワイン産地として知られています。
トスカーナ州のキアンティで生産されるキアンティ・クラッシコは、赤ワイン用のブドウの品種であるサンジョヴェーゼを原料としています。
イタリアでも最も有名な品種で、国内だけでなく南北アメリカ大陸でも栽培される国際的な品種でもあります。
強い酸味とやや強い渋みがあるフルーティーな香りが特徴で、キアンティ・クラッシコは、このサンジョヴェーゼを80%も含んでおり、酸味と甘味のバランスがとれた品質の高いワインとして高い評価を得ており、1984年にはイタリアワインの格付け最高位のD.O.C.G.にも認定されています。
キアンティとキアンティ・クラッシコは異なる
キアンティ・クラッシコと似ているワインの種類にキアンティがあります。
キアンティも同じキアンティ地方で生産されるワインのため、キアンティ・クラッシコと混同してしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、キアンティとキアンティ・クラッシコは種類が異なります。
一体、何が異なるのでしょう?
元々はキアンティ地方で作られたワインすべてをキアンティと呼ばれていました。
原料となるブドウが上質でもあることから、キアンティはワイン好きなイタリア人の間でも人気が集まるようになりました。
ところが、その人気が高まるにつれ、キアンティ地方以外の周辺地域で作られたワインもキアンティの名で販売されるようになったのです。
キアンティ地方内で生産された上質なワインと、その周辺地域の安かろう悪かろうなワインすべてキャンティの名で一緒にされては困ると、キアンティのブランド崩壊に危機感を抱いた優良な生産者たちが、1924年に「キアンティ・クラッシコ協会」を設立。
1967年にキアンティがD.O.C.G.に認定されると、キアンティ地方で作られたワインをキアンティ・クラッシコ(伝統的な地域で生産されるキアンティ)と呼ぶようになりました。
1996年には、キアンティより独立し、キアンティ・クラッシコとして単独でD.O.C.G.認定を受けました。
ちなみに、原料でもあるサンジョヴェーゼを使用する割合もキアンティとキアンティ・クラッシコとでは異なり、キアンティが75%以上であるのに対し、キアンティ・クラッシコは80%という規定を設けています。
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キアンティ・クラッシコに使われるブドウ品種
冒頭でもお伝えしましたが、キアンティ・クラッシコはサンジョヴェーゼ(ブドウの品種名)を原料として生産されています。
直訳すると「ジュピター(ローマ神話に登場する神)の血」と呼ばれるように、古くから存在するブドウと言われています。
サンジョヴェーゼは主にイタリアのトスカーナ州、またはその周辺地域で栽培されていますが、その年の気候によってサンジョヴェーゼの出来映えやワインの味も変わってきます。
暑い年になると濃厚な味でアルコール分も高く、長期的に熟成できるワインに仕上がります。
一方、涼しい年では酸性とタンニン(渋み)が強くなる傾向があります。
キアンティ・クラッシコを生産する際には、このサンジョヴェーゼを80~100%使用することができ、その他の品種は20%までの使用が認められています。
キアンティ・クラッシコの熟成期間
キアンティ・クラッシコは伝統的な生産方法で作られるワインです。
その熟成期間にもこだわっており、キアンティが4ヶ月熟成するのに対して、キアンティ・クラッシコは最低でも11ヶ月間熟成させます。
長い時間をかけて熟成させるため、キアンティ・クラッシコは酸味と甘味のバランスがとれた上質なワインに仕上がります。
そのアロマ(ブドウの発酵段階で生まれる香り)はグランベリーやプラムなどの果実を思わせるフルーティーな香りです。
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まとめ
今回はキアンティ・クラシコの特徴や歴史、キアンティとの違いなどについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
キアンティ・クラッシコのこだわりのワイン造りを理解すると、味わったときの感動がより一層深まるのではないでしょうか。
ワインは知れば知るほど奥の深い飲み物ですので、ワインへの探求心を持って美味しいワインを楽しみましょう。