焼肉とワインのマリアージュ – 焼肉の部位別に相性の良いワインを紹介

お肉とワインのマリアージュ、お肉には赤ワインじゃなきゃいけないという概念に縛られず、白ワインやロゼワインも活用しましょうという話を、前回のコラムで書かせていただきました。

お肉料理を最高に楽しむ!肉とワインのマリアージュの基本

今回は私の大好きな焼肉にフォーカスして、焼肉とワインのマリアージュのお話です。

文/竹本 聡子


【目次】

1, 焼肉とワインのマリアージュの魅力
2, 部位等の焼肉の種類別ワインのマリアージュのポイント
3, 「焼肉とワインのマリアージュ」まとめ


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1,焼肉とワインのマリアージュの魅力

焼肉と言えばビールやハイボール、マッコリ!
ですが、最近では焼肉×ワインのマリアージュという言葉も浸透しつつあり、多くのワインを取揃えている焼肉店も増えてきました。

このお肉をどう味わいたいのか?

さっぱりと味わいたいなら酸味が強めのワインを選び、ボリューム感を味わいたいなら酸味控えめのワインを選ぶ。
もちろん赤ワインだけに縛られることなく、白ワインやロゼワインだって良いマリアージュを生み出してくれます。
同じお肉でも違うワインを選ぶことでお肉の味わいを変えることができる。
これが焼肉×ワインのマリアージュの魅力です。

 

2,部位等の焼肉の種類別ワインのマリアージュのポイント

最近でこそ、焼肉店にも数種類のワインがオンリストされるようになりましたが、以前は焼肉店でワインと言えば大抵のお店がニューワールドのカベルネ・ソーヴィニヨン一択でした。

ニューワールドのカベルネ・ソーヴィニヨンは、本当に焼肉に合う?
ニューワールドのほとんどの産地は地中海性気候で、ワインのスタイルの特徴としては、アルコール度数が高く果実味が豊かなフルボディ、酸味は控えめで黒系果実のリキュールやジャムを思わせる甘やかな香り。
アメリカンオークを使用していればさらにココナッツやチョコレートの甘い香りが強くなり、ワインに残糖があるわけではなくてもなんとなく甘い印象に感じます。

では、このワインをタン塩に合わせたらどうでしょう?
ワインの主張が強すぎて、タンの味わいが薄れてしまいます。
その他、ハラミの塩やロースの塩でも同じ様に、やはりワインばかりが主張してしまいます。
お肉に対してワインの味わいが濃すぎるのです。
マリアージュを考えるときに大切なのはお料理とワインの『濃さ』を合わせること。

お肉といえば赤ワイン!焼肉といえばニューワールドのカベルネ・ソーヴィニヨン!
この定番的な考えを覆したくて、焼肉とワインのマリアージュクラスを企画しました。
そして、ご受講いただいた皆さんに、実際にマリアージュ実験を体験していただいています。
初めにワインだけのブラインドテイスティング、続いてお肉と合わせてのテイスティング。

例えばタン塩に、
① シャブリ
② カリフォルニアのシャルドネ
③ キアンティ・クラシコ(伝統的な造りの酸味が強く軽いスタイル)
④ カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨン。
ワインだけの人気投票を取れば④のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンが一番人気。

ですが、タン塩と合わせた時の人気投票では①のシャブリが圧倒的に人気で、④のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンはほぼゼロ票ということが多いです。

また、ワインのみのテイスティングの時には、酸味が豊かなせいかあまり人気のなかった③のキアンティ・クラシコですが、タン塩とのマリアージュではシャブリに次ぐ票を獲得していました。

塩味の焼肉にあわせるワイン
塩味で食べる焼肉の場合、受講生が入れ替わってもほとんど白ワインが選ばれています。
シラーズやニューワールドのカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロといった品種に人気が集中するということは一度もありません。
『塩味の焼肉<熟度の高い赤ワイン』となってしまうようです。

そして、塩味の焼肉でも、タンやハラミといった脂の多い部位の場合は酸味の豊かなワインが選ばれやすく、ヒレやロースといった赤身の部位にはニューワールドのシャルドネや南仏の白ワインなどの人気が高い傾向にあります。
つまり、レモンを絞って食べたいような部位のお肉には酸の豊かな白ワインを選び、脂身の少ない赤身の部位には酸味が控えめでボリューム感のある白ワインがあうというわけです。

ちなみに、ミノ塩にはドイツの中甘口ワイン、ホルモンにはなんとソーテルヌの甘口ワインが絶大な人気!
また、ネギと一緒に食べると美味しいなら、ヴェジタルな風味を持つニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランもオススメです。

タレ味の焼肉にあわせるなら
次に、タレで味付けされたお肉の場合はどうでしょう。
こちらはやはり赤ワインの人気が高くなります。
特にニューワールド系の濃厚で甘やかな風味のワインの人気が高いです。
タレの濃さとワインの濃さ、タレの甘さと赤ワインの甘やかな風味が良いマリアージュとなります。

部位ごとにご紹介すると…
・リブ芯やミスジなど特に脂身の多い部位の場合はタンニンが豊かな品種、例えばカベルネ・ソーヴィニヨンマディランのタナなど。
・赤身のお肉の場合、一番のオススメはジンファンデル
・タレのお肉でもさっぱりと食べたい方は、酸味の豊かなネッビオーロシラーサンジョヴェーゼなどと合わせるのがオススメ。

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アカデミー・デュ・ヴァン


はじめての方からワインの奥深さを追求される方まで、幅広く講座を開講しています。講師にはワイン業界をリードする現役のプロフェッショナルや、生産地から生産者をお迎えしています。

 

3,「焼肉とワインのマリアージュ」まとめ

焼肉とワインのマリアージュクラスの人気投票では、タレのお肉には赤ワインが人気ではあるものの、白ワインにも一定の票が入ってきます。

そして、各部位、塩味、タレ、それぞれの焼肉にどのワインが選ばれたのか、総合的に見てみると、半分以上のお肉に対して白ワインが選ばれているのです。
クラスに参加してくださっている受講生の皆さんからは、実際にマリアージュの実験を通じて、意外にも白ワインの方が美味しく感じるということに驚いたという感想を聞くことが多いです。

お肉だから赤ワイン、焼肉だからカベルネ・ソーヴィニヨン!
ではなく、もっと自由に色々なワインとのマリアージュを試してみてください。
白ワイン、ロゼワイン、オレンジワインも活躍します。

焼肉×ワインのマリアージュ、是非、楽しんでみてくださいね。

最後に:あえて1本を選ぶならこれ!焼肉屋さんに持ち込みたいワイン

部位ごとにワインを選べることができればもちろん最高ですが、中々そうもいきませんよね。ここでは焼き肉屋さんに、あえて1本を持ち込むならという視点でワインを選んでみました。

① ジャム・セラーズ バター・シャルドネ
https://www.adv.gr.jp/shop/products/44537
② サン・フランチェスコ コスタ・ダマルフィ・トラモンティ・ビアンコ
③ サン・マルツァーノ セッサンタアンニ


実験してみたい!
という方は、『焼肉&ワイン☆ 徹底的にマリアージュ!』(https://www.adv.gr.jp/curricula/detail/12628)クラスへのお申し込みをお待ちしております。

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竹本聡子 Satoko Takemoto

J.S.A.認定ソムリエ
WSET® Level 3

『ワインを学ぶと世界が広がる!』
ワインバー勤務を経てソムリエ資格を取得。資格取得後、受験勉強中にただただ詰め込んだ知識をゆっくりひもといていき、すっかりワインのお勉強にはまる。
知らない事を知る喜びを伝えたくて、プライベートでのワイン勉強会”Salon de Soleil”を立ち上げ、その後、アカデミー・デュ・ヴァン講師に。
現在、女優・ナレーターとしても活動中。

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世界的に高名なワイン評論家スティーヴン・スパリュアはパリで1972年にワインスクールを立ち上げました。そのスタイルを受け継ぎ、1987年、日本初のワインスクールとしてアカデミー・デュ・ヴァンが開校しました。

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