太陽が輝いて暑い夏は、キンキンに冷やしたロゼが物凄く美味い。種つきのオリーブを齧りながら、ロゼを飲むと、テーブルに地中海の風が吹くはず。ロゼにもいろいろな種類があるが、「セレブが作ったロゼ」シリーズとして、5種類、紹介する。
最終回は、伝説のアメリカン・ロック・バンド、「ボン・ジョヴィ」のリーダー、ジョン・ボン・ジョヴィが「ロゼ・チーム」を結成し、ロゼ・ワイン界の征服を計画しているお話。
文/葉山 考太郎
【目次】
1.ボルドーの8大シャトーと8大ロック・バンド
2.「ボン・ジョヴィ」のサクセス・ストーリー
3.『夜明けのランナウェイ』の変態リズム
4.「ジョン・ボン・ジョヴィ」ロゼのサクセス・ストーリー
5.「ハンプトン・ウォーター」の中の企み
6.「ハンプトン・ウォーター」のデータ
7.「ハンプトン・ウォーター」の正しい飲み方
1.ボルドーの8大シャトーと8大ロック・バンド
今回取り上げるのは、ロック界のレジェンド、ボン・ジョヴィが手掛けるロゼ。
銀河系で、ⅠT系産業の中心がサンフランシスコの南にあるシリコン・バレー、アート作品のビジネスの中心地がニューヨークなら、超高級ワイン生産の世界的な中心がボルドーだ。
今回のボン・ジョヴィにちなみ、私の独断と偏見で世界のロック・バンドをボルドーに君臨する「8大シャトー」に強引に当てはめてみる。
まず、5大シャトーの筆頭格で生真面目なラフィット・ロートシルトが、元祖ロック・グループの「ビートルズ」、派手好きなムートンが、永遠の不良、「ローリング・ストーンズ」、男性的なラトゥールが、最もヘビーな「レッド・ツェッペリン」、エレガントなシャトー・マルゴーが、多重録音で華麗なサウンドの「クイーン」で、ブルゴーニュのように妖艶なオー・ブリオンが、幻想的な「ピンク・フロイド」と、メドック地区の5大シャトーには、英国系のロック・グループがピタッと当てはまる。
ボルドーの右岸に目を転じると、名門の老舗シャトー、オーゾンヌが、ボストン出身の正統派、「エアロスミス」、スタイリッシュなシュヴァル・ブランが、ヴィジュアル系の「キッス」なら、ボルドーの最高価格のペトリュスは、今回取り上げる知名度抜群の「ボン・ジョヴィ」と、すべてアメリカ系が当てはまる。