マデイラワインとは?半永久的に味わうことの稀少なワインを知ろう

マデイラワイン

マデイラワインをご存知でしょうか。

初めて聞いた方も多いはず。
普通の居酒屋ではなかなか目にすることがないですよね……。

しかし、このマデイラワインは世界三大酒精強化ワインと言われるほど有名。
ワイン好きなら知っておきたいワインです。


【目次】

マデイラワインとは

ブドウ品種が味わい(甘辛)に影響を与える

マデイラワインの醸造・熟成方法とは

マデイラワインの歴史とは

マデイラワインをおいしく飲むには


この目次に沿って、以下でマデイラワインを説明します。

マデイラワインとは

マデイラワインとは

大西洋の真珠と言われる小島、ポルトガル南西部に位置するマデイラ島で、マデイラワインは造られています。

酒精強化ワインの一種ですので、高アルコールのワインです。

醸造・熟成方法に関しては後ほど紹介しますが、マデイラワインは他のお酒とは異なる造り方をします。
その結果、極めて長い期間、保存できるワインへと仕上がります。

高級品に至っては1,800年代のワインも存在するほどで、数百年も前に造られたものが飲めるのです。

食べ物だけでなく水ですら何百年も前のものは飲めないということを考えると、非常に貴重で魅力的なワインであることが分かりますね。

酒精強化ワインとは

酒精強化ワインというのはフォーティファイドワインとも言い、ワインを醸造する際にブランデー(高アルコールの蒸留酒)を加えて、アルコール度数をおおよそ15~22度にまで高めたワインのことです。

マデイラワインに関してはアルコール度数17~22%と高アルコールに造られます。

そんなマデイラワインですが、シェリー酒やポートワインと合わせて世界三大酒精強化ワインとされています。

あるいはそこにマルサラワインを加えて世界四大酒精強化ワインと呼ばれています。

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ブドウ品種が味わい(甘辛)に影響を与える

マデイラワイン造りに使われるブドウ品種

マデイラワイン造りに使われるブドウ品種

マデイラワイン造りには、白ブドウ黒ブドウのどちらも使われます。

そのため、赤ワインも白ワインも存在しており、味わいに関しても甘口タイプのものから辛口タイプのものまで、実に多くの種類のものが造られています。

マデイラワインの場合、ブドウ品種が甘口や辛口といった味わいに影響を与えるという特徴があります。

そこで、ここにはブドウ品種と、そのブドウ品種で造ったワインが甘口になるのか辛口になるのかということをご紹介します。

マデイラワインでのブドウ品種ごとの味わい
ブドウ品種 ワインの味わい
セルシアル(Sercial) 辛口
ヴェルデリョ(Verdelho) 中辛口
ボアル(Boal/Bual) 中甘口
マルヴァジア(Malvasia) 甘口

この4種類がマデイラワイン造りによく使われるブドウ品種です。

この他、デリケートな風味を持つ稀少な高級白品種のテランテス(Terrantez)や、あらゆる標高で植えられ総生産量の8割以上を占める黒ブドウのティンタ・ネグラ・モーレ(Tinta Negra Mole)などがあります。

マデイラワインの醸造・熟成方法とは

マデイラワインの醸造・熟成方法についても見ていきましょう。

酒精強化ワインの説明のところでもお伝えしたように、アルコール発酵の際にブランデーを加えます。

アルコール96度のブランデーを添加することで、アルコール度数を高めていくのです。

入れるタイミングに関しては甘口タイプ・辛口タイプなどによって異なります。

発酵が終わったら今度は加熱熟成となります。

ワインを加熱することによって意図的に酸化させているのです。

本来ワインは品質を保つために、酸化しないように工夫します。

ですから、こうして意図的に加熱熟成をするのはマデイラワインの最大の特徴です。

加熱した後は、ゆっくりとワインを冷却し、さらに熟成させてから瓶詰という流れになります。

ただ、瓶詰するまでに最低3年間の樽熟成が義務づけられています。

加熱熟成の方法には何がある?

加熱熟成の方法には「エストゥファ」というものと「カンテイロ」というものがあります。

<加熱熟成の方法>

エストゥファ

こちらは加温装置つきのステンレスタンク内で、最高50度の温度で3ヶ月以上熟成するという方法です。

多くのマデイラワインは、こちらの方法で加熱熟成が進められます。

カンテイロ

カンテイロは、30~40度の温室内で、大樽に入れられて熟成するという方法です。

熟成期間は6ヶ月~数年と長めです。

高級品のマデイラワインは、こちらのカンテイロという方法で加熱熟成をしています。

マデイラワインの歴史とは

かつて大航海時代にあった頃、マデイラ島は大西洋航路の重要な補給地として発展し、ワインも輸出されるようになります。

そのワインですが、18世紀半ば頃には長い航海で品質が劣化しないように、酒精強化されるのが一般的になりました。

マデイラワインの特徴でもある加熱熟成に関しては、当時は意図して行われたわけではありませんでした。

船に積まれたワインが長い航海で赤道付近を通るなどした結果、味わいが良くなったのです。

20世紀に入ると、それを意図して造るようになります。
先ほどご紹介したように温室あるいは加温装置内でワインを熟成させて造られるようになったのです。

マデイラワインをおいしく飲むには

マデイラワインをおいしく飲むには

一般的に辛口タイプのものは食前酒として、甘口タイプのものは食後酒として飲まれています。

甘口タイプのものに関しては、デザートと一緒に飲む、あるいはデザートの代わりに楽しむとよいでしょう。

そんなマデイラワインを楽しむときに気をつけることは2つです。

1つは、少しずつ飲むということ。
マデイラワインは酒精強化ワインの中でも高アルコールです。
ゴクゴク飲んで酔ってしまわないように注意してください。

もう1つは、冷やすということ。飲む前には冷蔵庫に入れて冷やしておきましょう。

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まとめ

以上、マデイラワインについてご紹介しました。

マデイラワインは長期の保存ができます。
ですから、開栓後もすぐに飲み切る必要はありません。

少しずつじっくりと味わうことができます。

古くから飲まれているマデイラワインですから、ワイン好きの方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

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