ワインを購入する際に「パーカーポイント(PP)95点」などと書かれているのを見たことはありませんか?
パーカーポイントとは、ワイン業界で絶大な影響力を持つロバート・パーカーが評価したワインの点数のことです。
彼が高評価したワインは需要が高まり、価格が上がるだけでなく市場から姿を消してしまいます。パーカーポイントにはそれほどまでに注目が集まっています。
【目次】
では、上の目次に沿って説明します。
パーカーポイントとは
パーカーポイントは、アメリカ人のワイン評論家ロバート・M・パーカー・Jr.がつけたワインの評価のことで、100点満点でワインの良し悪しが表されます。
ワインを購入する際に「パーカーポイント(PP)○○点」と書かれているのを見かけたことはありませんか?
これはロバート・パーカーが考えるワインの評価です。
特に文章ではなく点数方式で知ることができて非常に分かりやすいため、そのワインを購入するかどうかを直感的に判断できます。
これまで難しいコメントばかり並んでいた売り場に、基準となる評価点が現れたことによって消費者がワインを購入しやすい環境ができたと言っても過言ではないでしょう。
ロバート・M・パーカー・Jr.とはどんな人物?
ロバート・パーカーはアメリカ人のワイン評論家です。
彼の評価がワインの価格を変動させるほどの影響力を持った人物です。
実際に、全盛期の彼がパーカーポイントで95点以上つけたワインは値段が高騰し、市場から姿を消すといった現象が起こることもあります。
現在では以前ほどの強大な影響力はないものの、パーカーポイントとして出す評価によって価格は変動します。
「神の舌を持つ男」や「世界一の舌」などとも評されるロバート・パーカーですが、元々ワインにゆかりのある場所に生まれたわけではありません。
22歳でヨーロッパに旅行したことをきっかけとしてワインの世界に足を踏み入れ、仲間とテイスティング会を作ります。
ワインを採点する方法を模索している最中に、後に紹介するカルフォルニア大学デイヴィス校の20点法も試した末、行きついたのは100点満点の評価方法です。
1978年にロバート・パーカーが創刊した『ワイン・アドヴォケイト』に、100点満点の方法を使った評価を掲載。
紹介するワインと、そのワインに対するコメントの量に、ワイン関係者の注目が集まるようになります。
そうして、ワインの価格に影響を与える域にまで至り、「あらゆる評論のジャンルの中で、歴史上最も影響力を持つ」とまで評されるようになりました。
パーカーポイントが支持されるようになった理由
カリフォルニア大学デイヴィス校の20点法などの採点方法もある中で、どうしてパーカーポイントが支持されるようになったのでしょうか。
それには3つの理由が考えられます。
理由1:テイスティング能力が優れていた
ロバート・パーカーのテイスティング能力が優れていたというのが大きな理由でしょう。
それを証明するのが、1982年のエピソード。
ヴィンテージのボルドーワインを評価した際に、他の評論家に反してロバート・パーカーは熟成後に期待できる旨のコメントを残し、それがコメント通りの結果になりました。
このテイスティング能力があるからこそ、パーカーポイントに信頼を持つ方が多いのです。
理由2:採点方法が分かりやすい
採点方法が分かりやすいことも理由の1つに挙げられます。
学校教育で100点満点のテストを多く受けてきていることから、100点満点の評価方法は馴染みやすかったのでしょう。
理由3:中立の存在になろうと努めている
ロバート・パーカーが創刊した『ワイン・アドヴォケイト』において、ワイン生産者や輸入業者からの接待や広告出稿を受けず、常に消費者サイドの中立的存在であろうと努めています。
中立的な存在でいようとする姿勢は、評価の信頼性を高めています。
ロバート・パーカーの100点法
100点法の評価項目と配点
評価項目 | 配点 |
基礎点 | 50点 |
外観 | 1~5点 |
香り | 1~15点 |
味わい | 1~20点 |
将来性 | 1~10点 |
合計 | 50~100点 |
100点法の取得した得点と評価
■100~96点
評価 :Extraordinary【破格】
深遠で複雑な個性があり、その品種で最高のワインに期待されるすべての性質を示しているもの。
このクラスのワインは、特別な努力をしてでも見つけ、購入し、消費するに値する。
■95~90点
評価 :Extremely good【傑出】
ずば抜けた複雑性と個性を備えたもの。端的に素晴らしいワイン。
■89~80点
評価 :Quite good【並以上から優良】
目立った欠陥がなく、様々な程度の個性、フィネス、風味を備えたワイン。
■79~70点
評価 :Above average【並】
健全に造られたワインだという点以外、特筆事項がないもの。つまり、単純で退屈なワイン。
■69~60点
評価 :Average【並以下】
過度の酸味や渋味、風味の不足、不快な風味など、目立った欠陥があるワイン。
■59点以下
評価 :評価なし
受け入れ難いとみなされるワイン。
カリフォルニア大学デイヴィス校の20点法
20点法の評価項目と配点
評価項目 | 配点 |
清澄度 | 1~2点 |
色 | 1~2点 |
アロマ(原料ブドウの香り) | 1~2点 |
ブーケ(熟成で生まれた香り) | 1~2点 |
酸 | 1点 |
バランス | 1~2点 |
ボディ | 1~2点 |
味 | 1~3点 |
フィニッシュ(余韻) | 1~2点 |
総合評価 | 1~2点 |
合計 | 1~20点 |
20点法の取得した得点と評価
■17~20点 :高級ワイン
■13~16点 :標準ワイン
■9~12点 :標準以下のワイン
■1~8点 :傷んでいるワイン
パーカーポイントはあくまでも目安とする
パーカーポイントは、ワインの価格を左右するほどの影響力を持ちます。
とはいえ、評価はあくまで『ワイン・アドヴォケイト』の行ったものです。
当然のことですが、点数が高くても自分の舌に合わないこともよくあります。
ですから、ロバート・パーカーの100点法にしても、カリフォルニア大学デイヴィス校の20点法にしても点数が絶対とは思わないということが大切です。
あくまで参考にする程度の認識でいるべきでしょう。
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まとめ
ワインを購入する際にはパーカーポイントを探してみると良いでしょう。
「神の舌を持つ男」ロバート・パーカーが評価するワインをぜひ一度試してみてください。