赤ワインが健康に良いというのは、よく知られたことでしょう。
しかし、具体的にどのような効能があるのかご存知ない方も多いのではないでしょうか。
中には「本当に赤ワインは健康に良いの?」といった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
そんな方のために、赤ワインの効能についておさらい的にご紹介します。
【目次】
では、順に説明します。
赤ワインは健康に良いの?
冒頭にもお伝えしたように、赤ワインが健康に良いというのは、よく知られたことですよね。
それでは、具体的にどうして健康に良いといえるのでしょうか。
「赤ワインは本当に健康に良いの?」といった疑問をお持ちの方のために、フレンチ・パラドックスの話をご紹介します。
フレンチ・パラドックスとは
フレンチ・パラドックスというのは、フランス人の食生活と病気の関連性が医学上の定説と異なっていることを指します。
といいますのも、食生活と病気には医学上の定説があります。
具体的には肉やバターといった動物性食品を摂取しすぎたり、喫煙したりしていると、動脈硬化を起こしやすくなります。
その結果、心筋梗塞などの心臓病にかかりやすくなります。
しかし、肉やバターをよく食べるフランス人はこの医学上の定説とは相反して、心臓病による死亡率が非常に低い結果となっています。
その理由を解き明かすと赤ワインを嗜好しているという点に帰着しました。
赤ワインに含まれるポリフェノールが動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を和らげてくれるのです。
このフレンチ・パラドックスが世界を驚かせたとともに、赤ワインは健康に良いということに気づかされるきっかけとなったのです。
赤ワインにはどんな効能がある?
フレンチ・パラドックスの話をお伝えしましたので、赤ワインが健康に良いということはお分かりいただけたのではないでしょうか。
その他にも、赤ワインにはいくつかの効能があるとされています。
<赤ワインの効能とされる例>
「あるとされています」という表現にしましたのも、個人差があり、必ず効果が現れるとは限りませんので、目安程度に考えてお読みください。
動脈硬化の予防になる
まずは動脈硬化の予防から。
こちらは先ほどのフレンチ・パラドックスの例でご説明した通りです。
もう少し詳しく説明すると、動脈硬化の原因となるのは悪玉コレステロールが酸化することにあります。
ですから、酸化しないようにすれば、動脈硬化の予防になるというわけです。
赤ワインに含まれるポリフェノールには抗酸化作用がありますので、悪玉コレステロールの酸化を防げるといいます。
また、ポリフェノールの含有量は若いワインよりも熟成させたもののほうが多いことが分かっています。
ですから、なるべくなら熟成の進んだワインを選ぶと良いでしょう。
認知症の予防になる
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールという成分は、認知症の予防になるようです。
現に、ボルドー大学中央病院の疫学研究として、レスベラトロールには記憶力が回復したり、認知症やアルツハイマー病などの病気のリスクを下げたりするという効果があると報告されています。
報告によると、1日に3~4杯ワインを飲んでいる方の認知症やアルツハイマー病の罹患率、死亡率が最も低いという相関関係が発見されました。
1日に5杯以上飲む方は、飲まない方よりも死亡率が上がってしまう可能性があるので、適度な飲酒に留めておきましょう。
血圧を下げる
高血圧の最大の原因は塩分の摂り過ぎにあります。
食塩の過剰摂取は血圧を上げるのです。
ですから、塩分の摂取を控えれば良いのですが、摂りすぎてしまうこともあるでしょう。
そんなときに役立つのが、カリウムです。
カリウムには利尿作用があり、尿とともに塩分を排出してくれる効果があるとされています。
体内の塩分が減り、血圧を下げることができるというわけです。
赤ワインには、このカリウムが豊富に含まれています。ですから、赤ワインを飲むことによって、血圧を下げることを期待できるのです。
ポリフェノールはこんなワインに多い
ポリフェノール類はブドウの果皮や種の部分に多く含まれるため、果皮と種を使って造られる赤ワインに多く含まれます。
その一方で、白ワインは果汁のみから造られるため、ポリフェノールは含まれているものの赤ワインに比べると、ぐっと少なくなっています。
とはいえ、白ワインは健康によくないというわけではありません。
詳しく知りたい方はこちらの「白ワインの効能とは?おいしく飲んで健康になろう!」(準備中)をご覧ください。
赤ワインは糖質も低い
ワインには糖質が非常に少ないという特徴があります。
赤ワインや白ワインは、他の醸造酒に比べても糖質が少ないですね。
ぶどうジュースと比較すると、糖質の差は100mlでなんと13gにも及びます。
お酒の種類 | 糖質量(g/100ml) |
赤ワイン | 1.5グラム |
白ワイン | 2.0グラム |
ビール淡色 | 3.1グラム |
純米醸造酒 | 4.1グラム |
ぶどうジュース | 14.5グラム |
他のお酒と比べたときの糖質やカロリーが気になる方は、こちらの「ワインは太りにくい?糖質やカロリーはどのくらいなの?」をご覧ください。
1日に飲むワインの量
フレンチ・パラドックスの話もあるため、毎日赤ワインを飲みたいと感じた方もいるでしょう。
ただ、飲み過ぎには注意してください。
厚生労働省「アルコール」によると、死亡率が最も低いのが、1日平均純アルコール約20gの摂取をしている方だといいます。
ワイン1杯(120ml)に含まれる純アルコールは12gですので、ワインなら1日に約1杯半が適切な飲酒量ということになります。
認知症に効果があるとされているのは、1日に3~4杯程度。
ですから、この中間あたりの2~3杯を目安にすると良いかもしれませんね。
ワインの正しい保存方法とは
死亡率が低くくなると聞いて、ワインを毎日1杯半飲みたいと感じる方もいるでしょう。
ワインをボトルで買って家で飲むときには保存方法にもこだわると、よりおいしく楽しめます。
未開封のワインや飲み残しのワインの適切な保存方法について詳しく知りたい方はこちらの「未開封のワインや飲み切らなかったワインの保存方法とは?」をご覧ください。
まとめ
以上、赤ワインの効能についてご紹介しました。
赤ワインには多くの健康効果が期待されています。
ただし、健康に良いからといって飲み過ぎてしまうと逆効果になってしまいます。
ですから、赤ワインを適度に飲んで、楽しく健康的な生活を過ごしていきましょう。
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