アカデミーデュヴァンで、「シャンパーニュマスター講座」を」担当する人気講師で、自称シャンパーニュオタクの吉田さおりが、シャンパーニュの魅力を全力で伝える新連載。さて、最終回であるこの第5回目は、「コロナ禍におけるシャンパーニュのマーケットについて」を書きます!! どうぞ最後までお付き合いください!!
文・写真/吉田さおり
【目次】
1.2020年度のシャンパーニュ全体の出荷量などについて
2.2020年度の日本のシャンパーニュ輸入量などについて
3.日本におけるプレスティージュ・シャンパーニュの動向について
4.銀座高級クラブの超売れっ子ホステスさんのお誕生日会
1.2020年度のシャンパーニュ全体の出荷量などについて
まず、コロナ禍がまさに始まった2020年度のシャンパーニュ全体の出荷量について、数量ベースでは、約2億4406万本(750mlのボトル換算)で、金額ベースでは、約42億ユーロでした。
前年の2019年度のシャンパーニュ全体の出荷量は、数量ベースは約2億9760万本、金額ベースは約50億ユーロですので、数量ベースでは約18%減、金額ベースでは約16%減という、大幅な減少となりました・・・。
シャンパーニュの出荷本数と出荷金額の推移:単位 千本、百万ユーロ
詳細の推移は、資料データ①をご覧ください。この資料は、2007年度~2020年度までの、シャンパーニュ全体の出荷量の推移を追ったもので、2007年度は、数量ベースでは史上最高の数字(約3億3880万本)を叩き出した年です。
2007年度は史上最高の出荷量(本数ベース)でしたが、翌年の2008年秋には、かのリーマンショックがあり、2008年度の出荷量は本数・金額ともに減少しますが、2008年度の上半期は、2007年度を上回る出荷量を記録していたため、落ち幅はさほど大きくはなかったのです。しかし、その影響は翌年の2009年度にきました。2009年度は、出荷量の数量ベースは前年比約9%減、金額ベースでは約17%減という結果に。
しかし、その後10年の推移をみると、本数ベースでは多少の上下がありますが、金額ベースでは、右肩上がりが続きました。が・・・、このコロナ禍により、シャンパーニュは大きな打撃を受けております。もちろん、シャンパーニュに限らず、ワイン業界全てに言えることですが・・・。